「クァーレー・ドゥム・リケト・インテル・ノース・ラエテームル・アマンテース・ノーン・サティス・ウッロー・テンポレ・ロングス・アモル」と読みます。
quare は「それゆえ」を意味する副詞です。
dum は「・・・する間」を意味する接続詞です。
licet は「・・・することが可能である、許されている」を意味する非人称動詞です。
inter は対格を支配する前置詞で、「・・・の間で」を意味します。nos とともに「我々の間で」、「互いに」となります。
nos は「我々が」を意味する人称代名詞、一人称・複数・対格です。
laetemur は「楽しむ、喜ぶ」を意味する形式所相動詞 laetor の接続法・現在、1人称・複数です。接続法なので、「楽しもう」と相手に呼びかける意味で解釈できます。
amantes は「愛する」を意味する第一変化動詞 amo の現在分詞、複数・主格です。現在分詞は形容詞として、laetemur で想定される主語(「我々は」)の意味を補足します。
1行目は、「それゆえ、それが許される間、私たちは互いに愛し合いながら楽しもう」という意味になります。
satis は「十分に」を意味する副詞です。longus にかかります。
non satis est…longus で「十分に長くはない」となります。
ullo は英語の any と同じ意味を持つ代名詞的形容詞 ullus の中性・単数・奪格で、 tempore にかかります。
tempore は「時、時間」を意味する第三変化中性名詞 tempus の単数・奪格です。
ullo tempore は否定文において「いかなる時にも」と訳せます。
第一・第二変化形容詞 longus (長い)はこの文では補語として使われています。
行末の amor は、第三変化男性名詞で、この文の主語です。
2行目は、「いかなる時にも愛は十分に長くはない」となります。
ローマを代表する恋愛詩人プロペルティウスの表現です(1.19.25-26)。
Elegies (Loeb Classical Library)
Propertius G. P. Goold
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