At dubitamus adhuc virtutem extendere factis?

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「アト・ドゥビタームス・アドフーク・ウィルトゥーテム・エクステンデレ・ファクティース」と読みます。
atは「だが」を意味する接続詞です。
dubitāmusは「<不定法>をためらう」を意味する第1変化動詞 dubitō,-āreの直説法・能動態・現在、1人称複数です。
adhūcは「今なお、依然として」を意味する副詞です。
virtūtemは「美徳、勇気」を意味する第3変化名詞 virtūs,-ūtis f.の単数・対格です。
extendereは「広げる、広める」を意味する第3変化動詞 extendō,-ere の不定法・能動態・現在です。
factīsは「事実、業績、偉業、手柄」を意味する第2変化名詞 factum,-ī n.の複数・奪格です。
「だが我々は依然として偉業によって勇気を広めることをためらうのだろうか」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』にみられる表現です(aen.6.806)。
主人公アエネーアースの父アンキーセースがこのような言葉を発して息子を励まします。

アエネーイス (西洋古典叢書)
ウェルギリウス
京都大学学術出版会
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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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