Cornu bos capitur, voce ligatur homo.

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語彙と文法

「コルヌー・ボース・カピトゥル・ウォーケ・リガートゥル・ホモー」と読みます。
cornū は、「角」を意味する第4変化・中性名詞 cornū の単数・奪格です。「角によって」と訳せます。
bōs は、「牛」を意味する第3変化名詞bōs,bovis c.の単数・主格で、この文の主語に当たります。
なお、bōs は、その牛の雌雄に従って、性が決定されます。
capitur は、「つかむ」を意味する第3変化動詞(不定法はcapere)の直説法・受動態・現在、3人称単数です。
vōce は「声、言葉」を意味する第3変化名詞 vōx,vōcis f.の単数・奪格です。「言葉によって」。
ligātur は、「縛り付ける」を意味する第1変化動詞 ligō,-āreの直説法・受動態・現在、3人称単数です。
homō は、「人間」を意味する第3変化名詞homō,hominis c.の単数・主格で、この文の2つめの主語に相当します。
homō も、その人間の性によって、文法的な性も決定されます。
「牛は角によって捕まえられ、人間は言葉によって縛られる。」と訳せます。

言葉の解釈

牛は、己の武器であるはずの角によって捕まえられます。同様に、人間は、人間にとって益をもたらすはずの言葉によって縛られる(自由を束縛される)、という皮肉な状況を述べた文でしょう。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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