Bonus vir semper tiro.

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「ボヌス・ウィル・センペル・ティーロー」と読みます。
bonusは「立派な」を意味する第1・第2変化形容詞bonus,-a,-um の男性・単数・主格です。virにかかります。
virは「男、人間」を意味する第2変化男性名詞vir,virī m.の単数・主格で、文の主語です。
semperは「常に」を意味する副詞です。
tīrōは「初心者」を意味する第3変化男性名詞tīrō,tīrōnis m.の単数・主格で、文の補語です。
動詞estを補うことができます。estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
「立派な人間は常に初心者である」と訳せます。

Q, virは第2変化名詞とありますが、-usで終わらないのはなぜですか。

A. 一部の第2変化男性名詞は主格・単数が -er,-irで終わります(単数・主格の通例の形から -usを落とした形)。単数・属格以下は規則的です。virを例にとると、単数・属格以下はvirī, virō, virum, virō・・・となり、単数・主格があたかも virusであるかのように変化しています。単数・主格がvirus(ウィルス)だとすると、「毒」を意味するvīrus(ウィールス)紛らわしいのでそれを避けてvir(ウィル)としたのかと勘繰りたくなります。単数・主格が -er,-irで終わる他の第2変化・男性名詞の例としては、puer(少年)、ager(畑)などがあります。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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