Nunc omnia rident.

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「ヌンク・オムニア・リーデント」と読みます。  
nunc は「今」を意味する副詞です。
omnia は「すべて」を意味する第3変化形容詞 omnis,-e の中性・複数・主格です。名詞的に用いられ、「すべてのものは」、または「万物は」を意味します。
rīdent は「笑う」を意味する第2変化動詞 rīdeō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「今万物が笑っている。」と訳せます。この表現はウェルギリウスの『牧歌』に見られるもので、今自然界全体が微笑んでいるように見える、という意味で使われています。
日本語の「山笑う」を想起します。

P.S.
教科書(「しっかり学ぶ初級ラテン語」)に例文で入っています。読者から次のメッセージを頂戴しました。

最近、感動したラテン文はnunc omnia rident.です。
私の訳は「山川草木悉皆成仏」です。
ウェルギリウスの感性の鋭さに感激しました。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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