Dum vitant stulti vitia, in contraria currunt.

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「ドゥム・ウィータント・ストゥルティー・ウィティア・イン・コントラーリア・クッルント」と読みます。
dum は 「~している間に」を意味する接続詞です。
stultī は、第1・第2変化形容詞 stultus,-a,-um(愚かな)の男性・複数・主格です。この文では名詞として扱われ、「愚か者たちは」という意味になります(「形容詞の名詞的用法」)。
vītant は、動詞 vītō,-āre(避ける)の直説法・能動態・現在、3人称複数で、主語は stultī です。
vitia は中性名詞 vitium,-ī n.(悪徳)の複数・対格です。
contrāria は中性名詞 contrārium,-ī n.(反対)の複数・対格です。
currunt は動詞 currō,-ere(走る)の直説法・能動態・現在、3人称複数で、主語は stultī です。
「愚か者は、悪徳を避けようとして、反対の悪徳へ走り込む」と訳せます。
ホラーティウスの『風刺詩』(1.2.24)に見られる言葉です。
人は愚かである限り、嘘をごまかそうとして新たな嘘を重ねていくということを意味しています。

ホラティウス全集
鈴木 一郎
玉川大学出版部

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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