Nullis amor est sanabilis herbis.

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「ヌッリース・アモル・エスト・サーナービリス・ヘルビース」と読みます。
nullis は「いかなるものも・・・ない」という意味の代名詞的形容詞 nullus の女性・複数・奪格です。herbis にかかります。手段の奪格ととり、「いかなる薬草によっても・・・ない」と訳します。
amor は「愛、恋」を意味する第3変化名詞、単数主格です。
est は「である」を意味する不規則動詞 sum の直説法・現在、3人称単数です。
sanabilis は「治療しうる、救済できる」という意味の第3変化形容詞、男性・単数・主格です。
herbis は「草、薬草」を意味する第1変化名詞 herba の複数・奪格です。ここでは「手段の奪格」(によって)として用いられています。
「恋はいかなる薬草によっても救済できない」という意味になります。
オウィディウスの『変身物語』に出てくる言葉です(Ov.Met.1.523)。

オウィディウス 変身物語〈上〉 (岩波文庫)
オウィディウス Publius Ovidius Naso
4003212010

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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