Bonis omnia bona.

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「ボニース・オムニア・ボナ」と読みます。
bonīsは「善人」を意味する第1・第2変化形容詞bonus,-a,-um(善い)の男性・複数・与格です。名詞的に用いられ、「善人にとって」を意味します(「判断者の与格」)。
omniaは第3変化形容詞omnis,-e(すべての)の中性・複数・主格です。名詞的用法で、「すべてのものは」を意味します。文の主語です。
bonaは第1・第2変化形容詞 bonus,-a,-um(善い)の中性・複数・主格です。文の補語です。
動詞sunt が省かれています。suntは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称複数です。
「善人にとってはすべてが善い」と訳せます。
様々な解釈が可能ですが、「心の持ちようで何でもよく思える」というニュアンスでとらえることもできるでしょう。「気は持ちよう」と意訳したいところです。

コップの水が「半分しかない」ととるか「半分ある」ととるか。bonī(善き人)はどんなものごともポジティブに受け取れる人というわけでしょう。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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