Ignoscent, si quid peccavero stultus, amici.

  • URLをコピーしました!

「イグノースケント・シー・クゥィド・ペッカーウェロー・ストゥルトゥス・アミーキー」と読みます。
ignoscentは「許す」を意味する第3変化動詞ignoscō,-ere の直説法・能動態・未来、3人称複数です。主語は文末のamīcīです。
sīは「もしも」を意味する接続詞です。この文では「たとえ~しても」と解釈します。
quidはaliquidを表します。aliquidは「誰か、何か」を意味する不定代名詞 aliquis,aliqua,aliquid の中性・単数・対格です。peccāverōの目的語です。
peccāverō は「間違いを犯す」を意味する第1変化動詞peccō,-āre の直説法・能動態・未来完了、1人称単数です。
stultusは「愚かな」を意味する第1・第2変化形容詞、男性・単数・主格です。この文では副詞的に用いられています。sīの従属文における主語はego(私)ですが、省略されています。その「私」イコール「愚かな状態」で「何かを(quid)過ってしまう(peccāverō)ならば」(直訳)をもとに、「私が愚かにも何か過ちを犯してしまっても」と解釈します。
amīcīは「友」を意味する第2変化名詞amīcus,-ī m. の複数・主格です。主文における主語です。
「たとえ(sī)私が()愚かにも(stultus)何か(quid)間違いを犯してしまっても(peccāverō)、友は(amīcī)許してくれるだろう(Ignoscent)」と訳せます。
ホラーティウスの『風刺詩』に見られる表現です(Hor.Sat.1.3.140)。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

目次