Ipsa tellus omnia liberius ferebat.

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ウェルギリウス

語彙と文法

「イプサ・テッルース・オムニア・リーベリウス・フェレーバト」と読みます。
ipsaは「~自身」を意味する強意形容詞ipse,ipsa,ipsumの女性・単数・主格です。tellūsにかかります。
tellūsは「大地」を意味する第3変化名詞tellūs,-ūris f.の単数・主格です。
omniaは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnis,-e の中性・複数・対格です。この文では名詞として用いられ、ferēbatの目的語になります。「すべてのものを」と訳します。
līberiusは副詞līberē(自由に)の比較級で、「より自由に、より気前よく」を意味します。
ferēbatは「生む」を意味する不規則動詞ferō,ferre の直説法・能動態・未完了過去、3人称単数です。
「大地は自らすべてのものを(今)より気前よく生み出していた」と訳せます。
ウェルギリウスの『農耕詩』に見られる黄金時代の描写です(Verg.Geo.1.127-128)。

文献案内

牧歌/農耕詩 (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 小川 正広
4876981515

ウェルギリウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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