第4変化名詞の例文

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第4変化名詞を用いた例文の解説をします。

Subito timor omnem exercitum occupavit.
「スビトー・ティモル・オムネム・エクセルキトゥム・オックパーウィト」と読みます。
subitoは「突然」を意味する副詞です。
timorは「恐怖」を意味する第3変化名詞、単数・主格です。
omnemは「すべてを」を意味する第3変化形容詞、男性・単数・対格です。
exercitumは「軍」を意味する第4変化男性名詞、単数・対格です。
occupavitは「捕らえる」を意味する第1変化動詞occupoの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
「突然恐怖が軍全体を捕らえた」と訳せます。
カエサルの『ガリア戦記』に見られる言葉です(Caes.B.G.1.39)。

Magnum numerum equitatus suo sumptu semper alit.
「マグヌム・ヌメルム・エクゥィタートゥース・スオー・スンプトゥー・センペル・アリト」と読みます。
magnumは「大きい」を意味する第1・第2変化形容詞magnus,-a,-umの男性・単数・対格です。
numerumは「数」を意味する第2変化名詞numerusの単数・対格です。
equitatusは「騎兵隊」を意味する第4変化名詞equitatusの単数・属格です。
suoは「自分の」を意味する3人称の所有形容詞suus,-a,-umの男性・単数・奪格です。
sumptuは「支払い」を意味する第4変化名詞sumptusの単数・奪格です。
semperは「常に」を意味する副詞です。
alitは「養う」を意味する第3変化動詞aloの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「彼は騎兵隊の大きな数を(多くの騎兵隊を)自分の支払いで(私費で)いつも養っている」と訳せます。
カエサルの『ガリア戦記』に見られる言葉です(Caes.B.G.1.18)。

Daphnī, quid signōrum suspicis ortus?
「ダプニー・クゥィド・シグノールム・ススピキス・オルトゥース」と読みます。
Daphniはダプニス(人名)を意味する第3変化名詞Daphnisの単数・呼格です。
quidは「なぜ」を意味する疑問副詞です。
signorumは「星座」を意味する第2変化中性名詞signumの複数・属格です。
suspicisは「見上げる」を意味する第3変化B動詞suspicioの直説法・能動態・現在、2人称単数です。
ortusは「(天体の)昇り」を意味する第4変化名詞ortusの複数・対格です。
ダプニスよ、なぜおまえは星座の昇り(昇るところ)を見上げているのだ」と訳せます。
ウェルギリウスの『『牧歌』』に見られる言葉です(Verg.Ecl.9.46)。

Dat gemitum tellus; tum crebros ensibus ictus congeminant.
「ダト・ゲミトゥム・テッルス・トゥム・クレーブロース・エンシブス・イクトゥース・コンゲミナント」と読みます。
datは「与える」を意味する不規則動詞doの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
gemitumは「呻き声」を意味する第4変化名詞gemitusの単数・対格です。
tellusは「大地」を意味する第3変化名詞、単数・主格です。
tumは「続いて」を意味する副詞です。
crebrosは「多数の」を意味する第1・第2変化形容詞creber,-bra,-brumの男性・複数・対格です。ictusにかかります。
ensibusは「剣」を意味する第3変化名詞ensisの複数・奪格です。
ictusは「打撃」を意味する第4変化名詞ictusの複数・対格です。
congeminantは「重ねる」を意味する第1変化動詞congeminoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「大地は呻き声を上げる。続いて彼らは剣で多数の打撃を重ねる」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる言葉です(Aen.12.713)。

Est in conspectū Tenedos, nōtissima insula.
「エスト・イン・コンスペクトゥー・テネドス・ノーティッシマ・インスラ」と読みます。
conspectuは「視界」を意味する第4変化名詞conspectusの単数・奪格です。
Tenedosは「テネドス島」を意味する女性名詞、単数・主格です。
nōtissimaは「よく知られた」を意味する第1・第2変化形容詞notus,-a,-umの最上級、女性・単数・主格です。
insulaは「島」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
「視界の中にはたいへん名の知られたテネドス島がある」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる言葉です(Aen.2.21)。

Nec vērō segetibus sōlum et prātīs et vīneīs et arbustīs rēs rusticae laetae sunt, sed hortīs etiam et pōmāriīs, tum pecudum pastū, apium exāminibus, flōrum omnium varietāte.
「ネク・ウェーロー・セゲティブス・ソールム・エト・プラーティース・エト・ウィーネイース・エト・アルブスティース・レース・ルスティカエ・ラエタエ・スント・セド・ホルティース・エティアム・エト・ポーマーリイース・トゥム・ペクドゥム・パストゥー・アピウム・エクサーミニブス・フロールム・オムニウム・ウァリエターテ」と読みます。
nec A sed Bの構文は、「AでなくB」と訳します。
veroは「しかし」を意味する副詞です。
segetibusは「畑」を意味する第3変化名詞segesの複数・奪格です。
pratisは「草地」を意味する第2変化名詞pratumの複数・奪格です。
vineisは「葡萄畑」を意味する第1変化名詞vineaの複数・奪格です。
arbustisは「植林地」を意味する第2変化名詞arbustumの複数・奪格です。
resは「生活」を意味する第5変化名詞resの複数・主格です。
rusticaeは「田舎の」を意味する第1・第2変化形容詞rusticus,-a,-umの女性・複数・主格です。
laetaeは「楽しい」を意味する第1・第2変化形容詞laetus,-a,-umの女性・複数・主格です。
hortisは「庭」を意味する第2変化名詞hortusの複数・奪格です。
pomariisは「果樹園」を意味する第2変化名詞pomariumの複数・奪格です。
tumは「さらには」を意味する副詞です。
pecudumは「羊」を意味する第3変化名詞pecusの複数・属格です。
pastuは「放牧」を意味する第4変化名詞pastusの単数・奪格です。
apiumは「蜜蜂」を意味する第3変化名詞apisの複数・属格です。
examinibusは「群れ」を意味する第3変化名詞examenの複数・奪格です。
florumは「花」を意味する第3変化男性名詞flosの複数・属格です。
omniumは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnisの男性・複数・属格です。
varietateは「多様性」を意味する第3変化名詞varietasの単数・奪格です。
「だが田舎の生活が楽しいのは、畑や草地、葡萄畑や植林地によるばかりでなく、庭や果樹園、さらには羊の放牧や蜜蜂の群れ、すべての花々の多様性(あらゆる種類の花々)のためでもある」と訳せます。
キケローの『老年について』に見られる言葉です(Sen.54)

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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