Ignorantia legis neminem excusat.

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「イグノーランティア・レーギス・ネーミネム・エクスクーサト」と読みます。
ignōrantiaは「無知、不知」を意味する第1変化名詞ignōrantia,-ae f.の単数・主格です。
lēgisは「法、法律」を意味する第3変化名詞lex,lēgis f.の単数・属格です。Ignōrantiaにかかります。「目的語的属格」とみなします。
nēminemは「誰も~ない」(英語のnobodyに相当)を意味するnēmō の対格です。
excūsatは「許す」を意味するexcūsō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「法の不知は誰も許さない」と訳せます。

目的語的属格は「ラテン語入門」の中で説明しています。amor deī(神への愛)で覚えるとよいでしょう。「人間が神<を>愛すこと」を意味します。ただしこのdeīは文脈によって「神の愛」と訳せます。この場合「主語的属格」になります。「主語的」というのは、この表現は「神<が>愛すること」を意味するからです。この二つの訳し方があることをamor deī(神への愛 / 神の愛)の例でおさえてください。
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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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