Incidit in foveam quam fecit. 墓穴を掘る

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語彙と文法

「インキーディト・イン・フォウェアム・クゥァム・フェーキト」と読みます。
inciditは「落ちる」を意味する第3変化動詞 incidoの直説法・能動態・完了、3人称単数です。綴りの上で現在時制と同じ形ですが、fecitとの関連からこの語も完了とみなせます(厳密に言えば、母音の長短に相違があります。現在の場合inciditで、完了はincīditとなります)。
foveamは「穴」を意味する第1変化名詞 fovea,-ae f. の単数・対格です。
quamは関係代名詞 quī,quae,quodの女性・単数・対格です。先行詞はfoveamです。
fecitは「作る」を意味する第3B変化動詞 faciō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
「彼は自分の作った穴に落ちてしまった」と訳せます。

日本語の「墓穴を掘る」と似た意味で使われる格言です。


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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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