Audit vocatus Apollo.

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「アウディト・ウォカートゥス・アポッロー」と読みます。
auditは「聞く」を意味する第4変化動詞audiō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
vocātusは「呼びかける、祈る」を意味する第1変化動詞vocō,-āre の完了分詞、男性・単数・主格です。主語となるApollōと「性・数・格」は一致します。
Apollōは「太陽神アポッロー」を意味する第3変化名詞Apollō,-inis m.の単数・主格です。文の主語です。
完了分詞vocātusは「呼びかけられた」を意味しますが、これを属性的にApollōにかけると、「呼びかけられたアポッローは聞く」となり、意味が不鮮明です。
vocātusを述語的に訳すと、「アポッローは呼びかけられて」となります。動詞auditにかかるので、述語的に訳すとは副詞的に訳すことと同じです。
auditの訳を加えると、「アポッローは呼びかけられて聞く」となります。何を聞くのか?というと、呼びかけた人間の声(祈り)を聞くと考えられます。
そうした状況を前提として訳すと、「アポッローは呼びかけると(その祈りを)聞いてくれる」と訳すことができます。
ウェルギリウスの『農耕詩』に見られる表現です(Verg.Geo.4.7)。

牧歌/農耕詩 (西洋古典叢書)
ウェルギリウス
京都大学学術出版会

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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