Ut ager quamvis fertilis sine cultura fructuosus esse non potest, sic sine doctrina animus.

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「ウト・アゲル・クゥァンウィース・フェルティリス・シネ・クルトゥーラー・フルクトゥオースス・エッセ・ノーン・ポテスト・シーク・シネ・ドクトリーナー・アニムス」と読みます。
utは節を伴い「~のように」を意味します。sicはその中身を受け、「そのように」という意味を表します。
agerは「畑」を意味する第2変化名詞、単数・主格です。
副詞 quamvisは次に形容詞を伴い、「どれだけ・・・でも」という意味を表します。
fertilisは「肥沃な」を意味する第3変化形容詞 fertilis,-eの男性・単数・主格です。
sineは「~なしに」を意味する奪格支配の前置詞です。
culturaは「耕すこと、耕作」を意味する第1変化名詞、単数・奪格です。
fructuosusは「実りをもたらす、多産の」を意味する第1・第2変化形容詞 fructuosus,-a,-umの男性・単数・主格です。
doctrinaは「学識、学問」を意味する第1変化名詞 doctrinaの単数・奪格です。
animusは「精神、心」を意味する第2変化名詞、単数・主格です。
animusの続きに、fructuosus esse non potestを補うことができます。
「畑がいくら肥沃でも耕さなければ多産にならないように、精神も学識を欠くと実りをもたらさない」と訳せます。
キケローの『トゥスクルム荘対談集』に見られる表現です(2.13)。

キケロー選集〈12〉哲学(5)
キケロー 木村 健治
4000922629

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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