「クゥォド・ニミス・ミセリー・ウォルント・ホク・ファキレ・クレードゥント」と読みます。
quodは関係代名詞、中性・単数・対格です。先行詞id(それ)が省かれています。
nimisは「あまりに、過度に」(英語のtoo)を意味する副詞です。
miseriは「みじめな、不幸な」を意味する第1・第2変化形容詞miser,-era,-erumの男性・複数・主格です。この文では名詞的に使われ、「惨めな人々が」と訳せます。
voluntは「望む」を意味する不規則動詞voloの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
hocは指示代名詞hicの中性・単数・対格です。
facileは「容易に」を意味する副詞です。
creduntは「信じる」を意味する第3変化動詞credoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「惨めな人々は、自分たちが過度に欲することを信じてしまう」と訳せます。
セネカの『狂えるヘラクレス』に見られる表現です(313-314)。
セネカ悲劇集〈1〉 (西洋古典叢書)
セネカ 小川 正広