Quod nimis miseri volunt, hoc facile credunt.

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「クゥォド・ニミス・ミセリー・ウォルント・ホク・ファキレ・クレードゥント」と読みます。
quodは関係代名詞、中性・単数・対格です。先行詞id(それ)が省かれています。
nimisは「あまりに、過度に」(英語のtoo)を意味する副詞です。
miseriは「みじめな、不幸な」を意味する第1・第2変化形容詞miser,-era,-erumの男性・複数・主格です。この文では名詞的に使われ、「惨めな人々が」と訳せます。
voluntは「望む」を意味する不規則動詞voloの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
hocは指示代名詞hicの中性・単数・対格です。
facileは「容易に」を意味する副詞です。
creduntは「信じる」を意味する第3変化動詞credoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「惨めな人々は、自分たちが過度に欲することを信じてしまう」と訳せます。
セネカの『狂えるヘラクレス』に見られる表現です(313-314)。

セネカ悲劇集〈1〉 (西洋古典叢書)
セネカ 小川 正広
4876981027

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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