Tranquillas etiam naufragus horret aquas.

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「トランクゥィッラース・エティアム・ナウフラグス・ホッレト・アクゥァース」と読みます。
tranquillasは「静かな」を意味する第1・第2変化形容詞 tranquillus,-a,-umの女性・複数・対格です。aquasにかかります。
etiamは「~さえ」を意味します。この文では「tranquillasなaquasさえ」と訳せます。
naufragusは「溺れた者」を意味する第2変化男性名詞、単数・主格です。
horretは「恐れる、震える」を意味する第2変化動詞 horreoの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
aquasは「水」を意味する第1変化女性名詞、複数・対格です。
「溺れた者は静かな水さえ恐れる」と訳せます。
オウィディウスの言葉です(Ex Ponto 2.7.8)。
「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」という格言を思い出します。

悲しみの歌・黒海からの手紙 (西洋古典叢書)
オウィディウス 木村 健治

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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