Et in Arcadia ego.

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語彙と文法

「エト・イン・アルカディアー・エゴ」と読みます。
et は英語の also の意味を持ちます。in Arcadiā にかかります。
inは「<奪格>に、において」を意味する前置詞です。
Arcadiā は第1変化名詞 Arcadia,-ae f.の単数・奪格です。アルカディアは地名ですが、理想郷の意味で使われます。ここでは in とともに「アルカディアに」という副詞句を作ります。
egoは1人称単数の人称代名詞、単数・主格です。
Et in Arcadiā ego. で「私は(ego)アルカディアにおいて(in Arcadiā)も(et)」と訳せます。
動詞が省略されています。
ニコラ・プッサンの絵において、この ego は「死に神」であるという解釈が示されています。
その場合、sum (私はいる)が省略されていると考えられます。
「アルカディアにも私はいる」という意味になります。「理想郷といえども死とは無縁ではありえない」という意味になります。

『ギリシャ・ローマ名言集』5番目のラテン語です。
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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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