Stultum est timere quod vitare non potes.

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語彙と文法

stultumは「愚かな」を意味する第1・第2変化形容詞stultus,-a,-umの中性・単数・主格です。この文の補語です。
timēreは「恐れる」を意味する第2変化動詞timeo,-ēre の不定法・能動態・現在です。
quodは関係代名詞、中性・単数・対格です。対格になるのは、従属文の中でvītāreの目的語になるためです。
先行詞 idが省かれています。このidは指示代名詞is,ea,id(それ)の中性・単数・対格です。「それを」。
timēreの目的語になるため対格になっています。
vītāreは「避ける」を意味する第1変化動詞 vītō,-āre の不定法・能動態・現在です。
potesは「~できる」を意味する不規則動詞 possum,posse の直説法・能動態・現在、2人称単数です。
「(あなたが)避けられないものを恐れることは愚かである」と訳せます。
プーブリリウス・シュルスの言葉です(『金言集』)。

言葉の解釈

「避けられないもの」とは何でしょうか。『金言集』の別の箇所では、「死と愛は誰も逃れることはできない」(Nec mortem effugere quisquam nec amorem potest.)と述べています。

文献案内

Minor Latin Poets, Volume I: Publilius Syrus. Elegies on Maecenas. Grattius. Calpurnius Siculus. Laus Pisonis. Einsiedeln Eclogues. Aetna (Loeb Classical Library)
Minor Latin Poets Aetna Calpurnius Siculus Publilius Syrus Laus Pisonis Grattius J. Wight Duff
0674993144

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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