語彙と文法
stultumは「愚かな」を意味する第1・第2変化形容詞stultus,-a,-umの中性・単数・主格です。この文の補語です。
timēreは「恐れる」を意味する第2変化動詞timeo,-ēre の不定法・能動態・現在です。
quodは関係代名詞、中性・単数・対格です。対格になるのは、従属文の中でvītāreの目的語になるためです。
先行詞 idが省かれています。このidは指示代名詞is,ea,id(それ)の中性・単数・対格です。「それを」。
timēreの目的語になるため対格になっています。
vītāreは「避ける」を意味する第1変化動詞 vītō,-āre の不定法・能動態・現在です。
potesは「~できる」を意味する不規則動詞 possum,posse の直説法・能動態・現在、2人称単数です。
「(あなたが)避けられないものを恐れることは愚かである」と訳せます。
プーブリリウス・シュルスの言葉です(『金言集』)。
言葉の解釈
「避けられないもの」とは何でしょうか。『金言集』の別の箇所では、「死と愛は誰も逃れることはできない」(Nec mortem effugere quisquam nec amorem potest.)と述べています。
文献案内
Minor Latin Poets, Volume I: Publilius Syrus. Elegies on Maecenas. Grattius. Calpurnius Siculus. Laus Pisonis. Einsiedeln Eclogues. Aetna (Loeb Classical Library)
Minor Latin Poets Aetna Calpurnius Siculus Publilius Syrus Laus Pisonis Grattius J. Wight Duff