Majori fortunae locum fecit injuria.

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「マイヨリー・フォルトゥーナエ・ロクム・フェーキト・インユーリア」と読みます。
majori は「より大きな」を意味する第3変化形容詞 major の女性・単数・与格です。fortunae にかかります。
fortunae は「幸運、運命」を意味する第1変化名詞 fortuna の単数・与格です。
locum は「場所」を意味する第2変化男性名詞 locus の単数・対格です。
fecit は「つくる」を意味する第3変化動詞 facio の直説法・能動相・完了 、3人称単数です。この完了は過去の出来事を表すとも取れますし、格言的な内容を表すと取ることも出来ます(=「格言的完了」)。その場合、日本語訳では現在時制として訳します。
injuria は「災難、不正、過ち」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
「災難がより大きな幸運への場所をつくった」、または「災難はより大きな幸運への場所をつくる」と訳せます。
後者とみなして意訳すると「災難はより大きな幸運への道をひらく」という意味です。
ローマの哲人セネカの『倫理書簡集』(91.13)に見られる言葉です。

セネカ哲学全集〈6〉倫理書簡集II
セネカ Seneca
4000926365

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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