Multum non multa. 多読より精読を

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「ムルトゥム・ノーン・ムルタ」と読みます。
Multumは「大いに、深く」を意味する副詞です。
nōnは「~でない」を意味する否定辞です。
multaは第1・第2変化形容詞multus,-a,-um(多くの)の中性・複数・主格です。名詞的に用いられ、「多くのものが」を意味します。
省略されている言葉を補うと、Multum legendum est, nōn legenda sunt multa.となります。
一つ目のlegendumはlegō,-ere(読む)の動形容詞、中性・単数・主格です。estとともに、動形容詞の非人称表現を作ります。前半は、「大いに(深く)読むことがなされるべきである」、「精読すべきである」という意味になります。
後半のlegendaはlegōの中性・複数・主格です。multaと性・数・格が一致し、動形容詞の人称表現を作ります。「多くのものが(multa)読まれるべきではない(nōn)」となります。
小プリーニウスの言葉です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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