Audentem Forsque Venusque juvat.

  • URLをコピーしました!

「アウデンテム・フォルスクゥェ・ウェヌスクゥェ・ユウァト」と読みます。
audentem は「敢えて~する」という意味の第2変化動詞 audeō,-ēre の現在分詞、男性・単数・対格です。この文では名詞として扱われ、iuvat の目的語になっています。意味は「大胆に振る舞う者を」となります。
Fors は「運」を意味する第3変化名詞 fors,fortis f.の単数・主格です。
-queは「そして」。Venusqueの-queとあわせ、「~も~も」を意味します(Aque Bqueは「AもBも)」。
Venus は第3変化名詞Venus,-neris f.(ウェヌス)の単数・主格です。愛の女神ウェヌスのことです。「愛、恋」の言い換えとして用いられることもあります。
juvat は「助ける」を意味する第1変化動詞 juvō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
この文では Fors が助けるケースと Venus が助けるケースのそれぞれを別の例とみなしているので、動詞は単数扱いになります。
「運も愛も大胆に振る舞う者の味方をする」という意味になります。
オウィディウスの『恋の技法』(Ars Amatoria)1.608 に見られる言葉です。

恋の技法 (平凡社ライブラリー)
オウィディウス, 樋口勝彦
平凡社
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次