Quis scit an adiciant hodiernae crastina summae tempora di superi?

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「クゥィス・スキト・アン・アディキアント・ホディエルナエ・クラスティナ・スッマエ・テンポラ・ディー・スペリー」と読みます。
quis は疑問代名詞quis,quidの男性・単数・主格です。
scit は「知る」を意味する第4変化動詞 sciō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
an は「~かどうか」を意味する接続詞です。
adiciant は「加える」を意味する第3変化動詞 adiciō,-icere の接続法・能動態・現在、3人称複数です。
hodiernae は「今日の」を意味する第1・第2変化形容詞 hodiernus,-a,-um の女性・単数・与格です。summaeにかかります。
crastina は「明日の」を意味する第1・第2変化形容詞 crastinus,-a,-um の中性・複数・対格です。temporaにかかります。
summae は「合計、全体」を意味する第1変化名詞summa,-ae f. の単数・与格です。
tempora は「時」を意味する第3変化名詞 tempus,-poris n. の複数・対格です。
dī は「神」を意味する第2変化名詞 deus,-ī m. の複数・主格です。
superī は「天上の」を意味する第1・第2変化形容詞 superus,-a,-um の男性・複数・主格です。dīにかかります。
「誰が知ろう、天上の神々が今日の日の全体に明日の時を加えてくれるなど」と訳せます。
このラテン語はホラーティウスの言葉です。

一寸先は闇。今日の日もまだ最後まで終わっていません。その全体(summa)が最後までもたらされるかどうかも不明です。まして、明日の時(crastina tempora)を授かるとは。親鸞の「明日ありと思う心の徒桜、夜半に嵐の吹かぬものかは」を思い出します。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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