犬の字が鼻の穴から響いている:ペルシウス

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ギリシア・ローマ名言集

『ギリシャ・ローマ名言集』(ローマの部13番)に「いぬのじ」と題して次のラテン語と日本語訳が紹介されています。

sonat hic de nare canina littera. ペルシウス『風刺詩』第一番109
ほれ、そう言うかたそばから、犬の字が鼻の穴から響いているではないか。(柳沼訳)

以下、テキストにマクロンをつけ、直訳を試みます。

sonat hīc dē nāre canīna / littera. (1.109-110)

語彙と文法

sonat: sonō,-āre(音を出す)の直説法・能動態・現在、3人称単数。
hīc: このとき、ここで(副詞)
dē: <奪格>から
nāre: nāris,-is f.(鼻)の単数・奪格。
canīna: 第1・第2変化形容詞canīnus,-a,-um(犬の)の女性・単数・主格。litteraにかかる。
littera: littera,-ae f.(文字)の単数・主格。

逐語訳

このとき(ここで)(hīc)鼻(nāre)から(dē)犬の(canīna)文字が(littera)音を出す(sonat)。

ギリシア・ローマ名言集

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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