西洋古典

人の世に注ぐ涙:ウェルギリウス『アエネーイス』

2011年6月27日

Sunt lacrimae rerum et mentem mortalia tangunt. ウェルギリウス『アエネイス』1.462

「ここにも人の世に注ぐ涙があり、人間の苦しみは人の心を打つ」(岡道男、高橋宏幸訳)

このラテン語のうち res については「人の世」と解釈され、また、mortalia を「人間の苦しみ」とするのは厳密に言えば意訳ということになります。

『ギリシア人・ローマ人のことば』(中務哲郎、大西英文著)では、「はかなきは人の世の営み、悲運は涙さそいて、胸をうつ」と訳されています。

大西先生の担当箇所と思われます。直訳したのでは意味が通りませんので、それぞれの訳者が自分の解釈をこめて訳しています。確かに、このラテン語は心を込めて訳したい「アエネーイス」の急所です。

アエネーイス (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 岡 道男
4876981264

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