O incredibilem audaciam!

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「オー・インクレーディビレム・アウダーキアム」と読みます。
Ō は間投詞で「おお、ああ」を意味します。
incrēdibilem は第3変化形容詞incrēdibilis,-e(信じられない)の女性・単数・対格です。audāciamにかかります。
audāciamはaudācia,-ae f.(大胆さ、向こう見ず)の単数・対格です。「感嘆の対格」と呼ばれる用法です。
「おお、信じられない向こう見ずよ」と訳せます。
続いて、ō impudentiam praedīcandam!と言われます。
「おお、公表されるべき(praedīcandam)恥知らずよ(impudentiam)」と訳せます。
praedīcandamはpraedīcō,-ere(公表する)の動形容詞、女性・単数・対格で、impudentiamにかかります。「公表されるべき」を意味します。
impudentiamはimpudentia,-ae f.(恥知らず)の単数・対格で、これも「感嘆の対格」です。
キケローの『ピリッピカ』に見られる表現です(Cic.Phil.2.4) 。
キケローはこの作品を通し、国家を私物化しているアントーニウスを痛烈に批判しています。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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