語彙と文法
「アブ・オーウォー・ウスクェ・アド・マーラ・キターレト」と発音します。
Abは「<奪格>から」を意味する前置詞です。āと同じ意味ですが、母音とhの前ではabの形が用いられます。
ōvōはōvum,-ī n.(卵) の単数・奪格です。Ab ōvōで「卵から」。
usqueは「続けざまに、ずっと」を意味する副詞です。
adは「<対格>に」を意味する前置詞です。
mālaはmālum,-ī n.(リンゴ) の複数・対格です。
ad mālaで「リンゴまで」を意味します。
citāretはcitō,-āre(神々の助けを求める)の接続法・能動態・現在、3人称単数です。命令のニュアンスを帯びます。「(彼は)神々の助けを求めるがよい」。原文では、バックスの名を呼ぶことを意味しています。「(彼は)バックスの名を呼べばよい」くらいの意味です。
全体で「彼は、卵(ōvō)から(ab) リンゴ(māla)まで(ad)ずっと(usque)神々の助けを求めるがよい(citāret)」と訳せます。
この一文から、Ab ōvō usque ad māla(最初から最後まで)のフレーズが切り取られ、人口に膾炙する用になりました。
補足説明
ローマ人の食事は卵で始まり、デザートはリンゴで締めくくられました。
意訳すれば、「最初から最後まで」という意味になります。
ホラーティウスの言葉です(S.1.3.6-7)。
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