Nascetur pulchra Troianus origine Caesar.

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「ナスケートゥル・プルクラー・トロイヤーヌス・オリーギネ・カエサル」と読みます。
nascēturは形式受動態動詞nascor,-scī(生まれる)の直説法・未来、3人称単数です。
pulchrāは第1・第2変化形容詞pulcher,-chra,-crum(気高い)の女性・単数・奪格です。orīgineにかかります。
Trōiānus=Trōjānus は第1・第2変化形容詞Trōjānus,-a,-um(トロイアの)の男性・単数・主格です。省略された動詞estを補い、Caesarを主語、この形容詞を補語とみなします。
orīgine はorīgō,-ginis f.(血統)の単数・奪格(「起源の奪格」)です。
Caesar はCaesar,-aris m.(カエサル)の単数・主格です。原文の文脈において、カエサルはアウグストゥス(オクタウィアーヌス)を指すと考えられます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Aen.1.286)。
『農耕詩』においてCaesarの語は複数回見られますが、いずれもアウグストゥス(オクタウィアーヌス)を指しています。
「トロイアのカエサルが高貴な血統から生まれるだろう」と訳せます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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