文法の教科書を終えた人のために:原典講読の勧め

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ひととおりラテン語文法の概要がつかめた人にとって、次の一歩をどう踏み出すかについて、私なりに思うことを以下に述べます。

文法を学ぶ目的の一つは原典を読むことだと思います。ラテン語の文法自体に興味を持つ人も多いが、文法はそこそこにして原典の世界に飛び込むのはあり、というか、ラテン語の場合はむしろそれが王道のように思います。

ただし、最初は研究者用の注釈書でなく欧州の高校生向けの教材を使うのが吉です。そういう本には巻末に語彙集がついています。一つの作品に出てくる語彙がすべて網羅されています。一語にいくつもの訳語がある場合、第何節の使い方はこの意味だ、というところまで情報として載っています。

日本でも、入試対策用の古文、漢文の教材というのがあって、この単語は「連用形」だとか、この文での意味はこれこれだ、ということが細かく丁寧に説明されています。要は、その西洋古典バージョンが、今述べた教材だと言えるでしょう。使わぬ手はありません。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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