ラテン語入門 西洋古典

代名詞の例文

2015年1月7日

代名詞の例文を集めました(結構あります)。代名詞の概要をつかんだら、あとは数多く例文に当たるとよいでしょう。

  1. hīs amor ūnus erat pariterque in bella ruēbant.
  2. 二人はいつも心を一つにし、いつもそろって戦場に突き進んだ。
    hīsは指示代名詞hic,haec,hoc(これ)の男性・複数・与格。「これらの者たちに」。文脈に照らし、「二人には」と解釈する。『アエネーイス』におけるニーススとエウリュアルス。

  3. Cūr verberās?
  4. 「クール・メー・ウェルベラース」と読みます。
    cūrは「なぜ」を意味する疑問副詞です。
    mēは「私」を意味する1人称単数の人称代名詞egō の対格です。
    verberās は「ぶつ、たたく」を意味する第1変化動詞verberō,-āre の直説法・能動態・現在、2人称単数です。
    「なぜあなたは私をぶつのですか?」と訳せます。
    プラウトゥスの『黄金の壺』に見られる表現です(Pl.Aul.42)。

  5. Eōrum fīnēs Nerviī attingēbant.
  6. 「エオールム・フィーネース・ネルウィイー・アッティンゲーバント」と読みます。
    eōrumは「それ」を意味する指示代名詞is,ea,id の男性・複数・属格です。この文では3人称複数の人称代名詞(複数・属格)の代わりに用いられています。「彼らの」と訳せます。
    fīnēsは「領土」を意味する第3変化名詞fīnis,-is c.の複数・対格です。
    Nerviī は「ネルウィイー人」を意味する第2変化複数名詞Nerviī,-ōrum m.pl. の主格です。この文の主語です。
    attingēbant は「接する」を意味する第3変化動詞attingō,-ere の直説法・能動態・未完了過去、3人称複数です。
    「ネルウィイー人は彼らの領土に接していた」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる表現です(Caes.B.G.2.15)。

  7. Ubi dē ējus adventū Helvētiī certiōrēs factī sunt, lēgātōs ad eum mittunt.
  8. 「ウビ・デー・エイユス・アドウェントゥー・ヘルウェーティイー・ケルティオーレース・ファクティー・スント・レーガートース・アド・エウム・ミットゥント」と読みます。
    ubiは「~するときに」を意味する接続詞です。
    dēは「<奪格>について」を意味する前置詞です。
    ējusは「それ」を意味する指示代名詞is,ea,id の男性・単数・属格です。この文では3人称の人称代名詞、単数・属格の代わりに使われています。「彼の」。advemtūにかかります。
    adventū は「到着」を意味する第4変化名詞adventus,-ūs m. の単数・奪格です。dēが要求する奪格です。
    Helvētiī は「ヘルウェーティイー族」を意味する第2変化Helvētiī,-ōrum m.pl. の主格です。
    certiōrēs は第1・第2変化形容詞certus,-a,-um(確かな)の比較級、男性・複数・主格です。Helvētiīと性・数・格が一致します。
    factī suntは「(AをBに)する」を意味する第3変化動詞faciō,-ere の直説法・受動態・完了、3人称複数です。
    certiōrem facere + <人> の構文で、「<人>に知らせる」という意味になります。
    lēgātōs は「使節」を意味する第2変化名詞lēgātus,-ūs の複数・対格です。
    adは「<対格>に」を意味する前置詞です。
    eumは「それ」を意味する指示代名詞is,ea,id の男性・単数・対格です。この文では3人称の人称代名詞、単数・対格の代わりに使われています。「彼(eum)に(ad)」。
    mittunt は「送る」を意味する第3変化動詞mittō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数です。主語はヘルウェーティイー族です。
    「ヘルウェーティイー族は彼の到着を知ると、使節を彼のもとに送る」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる言葉です(Caes.B.G.1.7)。

  9. Multa in virō praeclāra cognōvī.
  10. 「ムルタ・イン・エオー・ウィロー・プラエクラーラ・コグノーウィー」と読みます。
    multaは「多くの」を意味する第1・第2変化形容詞multus,-a,-umの中性・複数・対格です。praeclāraにかかります。
    eō は「それ」を意味する指示形容詞is,ea,id の男性・単数・奪格です。virō にかかります。
    virōは「男、人物」を意味する第2変化名詞vir,virī m. の単数・奪格です。
    praeclāra は「優れた」を意味する第1・第2変化形容詞praeclārus,-a,-um の中性・複数・対格です。名詞的に用いられ、「優れたもの」を意味します。
    cognōvī は「知る」を意味する第3変化動詞cognoscō の直説法・能動態・完了、1人称単数です(ただし形は完了でも意味は現在になるタイプの動詞です)。
    「私はあの人物の多くの優れたところを知っている」と訳せます。
    キケローの『老年について』に見られる表現です(Sen.12)。

  11. Cynthia formōsa est. Eam amō.
  12. 「キュンティア・フォルモーサ・エスト・エアム・アモー」と読みます。
    Cynthiaは第1変化名詞Cynthia,-ae f.(キュンティア)の単数・主格です。文の主語です。
    formōsa は「美しい」を意味する第1・第2変化形容詞formōsus,-a,-umの女性・単数・主格です。文の補語です。
    Eam は「それ」を意味する指示代名詞is,ea,id の女性・単数・対格です。3人称単数の人称代名詞の代わりに用いられ、「彼女を」を意味します。
    amōは「愛する」を意味する第1変化動詞amō,-āre の直説法・能動態・現在、1人称単数です。
    「キュンティアは美しい。私は彼女を愛している」と訳せます。

  13. Virtūs in ūsū suī tōta posita est; ūsus autem ējus est maximus cīvitātis gubernātiō.
  14. 「ウィルトゥース・イン・ウースー・スイー・トータ・ポシタ・エスト・ウースス・アウテム・エイユス・エスト・マクシムス・キーウィターティス・グベルナーティオー」と読みます。
    virtūsは「勇気」を意味する第3変化名詞virtūs,-ūtis f.の単数・主格です。
    inは「<奪格>に」を意味する前置詞です。
    ūsūは「実践」を意味する第4変化名詞ūsus,-ūs m.の単数・奪格です。
    suī は3人称の再帰代名詞suī(自分)の女性・単数・属格です。virtūsを指しています。「勇気自身の」。ūsūにかかります。
    tōtaは「全体の」を意味する代名詞的形容詞tōtus,-a,-um の単数・主格です。形容詞の述語的用法ととらえ、「(勇気は)全体として」と訳します。
    posita は「置く」を意味する第3変化動詞pōnō,-ereの完了分詞、女性・単数・主格です。estと併せて「置かれている」と訳します。動詞の直説法・受動態・完了ととらえるのでなく、完了分詞の形容詞としての用法とみなします。
    estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
    ūsusはūsus,-ūs m.(実践)の単数・主格です。後半の文の主語です。
    autemは「ところで」を意味します。
    ējusは「それ」を意味する指示代名詞is,ea,id の女性・単数・属格です。先行するvirtūs を指しています。
    estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
    maximusは「大きい」を意味する第1・第2変化形容詞magnus,-a,-um の最上級、男性・単数・主格です。ūsusにかかります。
    cīvitātis は「国家」を意味する第3変化名詞cīvitās,-ātis f. の単数・属格です(「目的語的属格」)。gubernātiōにかかります。
    gubernātiō は「運営」を意味する第3変化名詞gubernātiō,-ōnis f.の単数・主格です。文の補語です。
    「勇気の一切はその実践に置かれている(かかっている)。ところでその最大の実践とは国の運営である」と訳せます。
    キケローの『国家について』に見られる言葉です(Rep.1.2)。

  15. Vōs, aeternī ignēs, et nōn violābilevestrum testor nūmen.
  16. 「ウォース・アエテルニー・イグネース・エト・ノーン・ウィオラービレ・ウェストルム・テストル・ヌーメン」と読みます。
    vōsは2人称複数の人称代名詞vōs の対格です。
    aeternīは「永遠の」を意味する第1・第2変化形容詞aeternus,-a,-umの男性・複数・呼格です。ignēsにかかります。
    ignēsは「炎」を意味する第3変化名詞ignis,-is m.の複数・男性・呼格です。
    etは「そして」。Vōsとnūmenをつなぎます。
    nōnは「~でない」。violābileを否定します。
    violābile は「侵される」を意味する第3変化形容詞violābilis,-e の中性・単数・対格です。nōn violābileはnūmenにかかります。
    vestrum は2人称複数の所有形容詞vester,-tra,-trumの中性・単数・対格です。nūmenにかかります。
    testorは「<対格>を証人として呼ぶ、<対格>にかけて誓う」を意味する形式受動態動詞testorの直説法・現在、1人称単数です。
    nūmenは「神性」を意味する第3変化名詞nūmen,-minis n.の単数・対格です。
    「永遠の炎よ、汝らと侵されることのない汝らの神性にかけて私は誓う」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.2.154-155)。

  17. Posterō diē castra ex locō movent.
  18. 「ポステロー・ディエー・カストラ・エクス・エオー・ロコー・モウェント」と読みます。
    posterō は「次の」を意味する第1・第2変化形容詞posterus,-a,-umの男性・単数・奪格です。diēにかかります。
    diē は「日」を意味する第5変化名詞diēs,-ēī c.の単数・奪格です。この名詞は「共性(または通性)」ですが、形容詞Posterōが男性形ゆえ、男性名詞として用いられていることがわかります。
    castraは「陣営」を意味する第2変化複数名詞castra,-ōrum n.pl. の対格です。moventの目的語です。
    exは「<奪格>から」を意味する前置詞です。
    eōは「その」を意味する指示形容詞is,ea,id の男性・単数・奪格です。locō にかかります。
    locō は「場所」を意味する第2変化名詞locus,-ī m.の単数・奪格です。「その場所から」。
    moventは「動かす」を意味する第2変化動詞moveō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称複数です。「歴史的現在」です(形は現在で意味は完了)。主語は明示されていません。「彼らは」とします。
    「翌日彼らはその場所から陣営を移動する」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる言葉です(Caes.B.G.1.15)。

  19. Ex oppidō pons ad Helvētiōs pertinet.
  20. 「エクス・エオー・オッピドー・ポンス・アド・ヘルウェーティオース・ペルティネト」と読みます。
    exは「~から」を意味する奪格支配の前置詞です。
    eōは「その」を意味する指示形容詞is,ea,id の中性・単数・奪格です。oppidō にかかります。
    oppidō は「町」を意味する第2変化名詞oppidum,-ī n.の単数・奪格です。
    ponsは「橋」を意味する第3変化名詞pons,pontis m.の単数・主格です。
    ad は「~まで」を意味する対格支配の前置詞です。
    Helvētiōs は「ヘルウェーティイー族」を意味する第2変化の複数名詞Helvētiī,-ōrum m.pl. の対格です。
    pertinetは「ad+<対格>に及ぶ」を意味する第2変化動詞pertineō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語はponsです。
    「その町からヘルウェーティイー族の(領土)まで橋が及んでいる(かかっている)」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる言葉です(Caes.B.G.1.6)。

  21. Hic homo sanus non est.
  22. 「ヒク・ホモー・サーヌス・ノーン・エスト」と読みます。
    hicは「この」を意味する指示形容詞hic,haec,hoc の男性・単数・主格です。homō にかかります。
    homō は「人間」を意味する第3変化名詞homō,hominis c.の単数・主格です。指示形容詞hicならびに形容詞sānusの形から、男性名詞として使われていることがわかります。
    sānusは「正気の」を意味する第1・第2変化形容詞sānus,-a,-umの男性・単数・主格です。文の補語です。
    「この人間は正気ではない」と訳せます。
    プラウトゥスの『アンピトリュオー』に見られる表現です(Plaut.Am.1.1.246)。

  23. Nōn erit ista amīcitia, sed mercātūra.
  24. 「ノーン・エリト・イスタ・アミーキティア・セド・メルカートゥーラ」と読みます。
    Nōnは「~でない」。amīcitiaを否定します。Nōn A sed B(AでなくむしろB)の構文におけるnōnです。「istaはamīcitiaでなく(nōn)むしろ(sed)mercātūraとなるだろう(erit)」。
    eritは不規則動詞sum,esse の直説法・未来、3人称単数です。istaが主語です。
    istaは「(2人称単数に関わる)それ」を意味する指示代名詞iste,ista,istud の女性・単数・主格です。文の主語です。「君の言うそれは」となります。
    amīcitiaは「友情」を意味する第1変化名詞amīcitia,-ae f.の単数・主格です。文の補語です。
    mercātūraは「取引」を意味する第1変化名詞mercātūra,-ae f.の単数・主格です。文の二つ目の補語です。
    「(あなたの言う)それは友情ではなく取引(に過ぎないもの)になるだろう」と訳せます。
    キケローの『神々の本性について』に見られる表現です(Cic.N.D.1.122)。

  25. istīs rēbus exspectō tuās litterās.
  26. 「デー・イスティース・レーブス・エクスペクトー・トゥアース・リッテラース」と読みます。
    dēは「~について」を意味する奪格支配の前置詞です。
    istīsは「(2人称単数に関わる)その」を意味する指示形容詞iste,ista,istud の女性・複数・奪格です。rēbusにかかります。
    rēbusは「状況」を意味する第5変化名詞rēs,reī f.の複数・奪格です。
    exspectō,-āre は「待つ」を意味する第1変化動詞exspectō,-āre の直説法・能動態・現在、1人称単数です。
    tuāsは「あなたの」を意味する所有形容詞tuus,-a,-umの女性・複数・対格です。litterāsにかかります。
    litterāsは「手紙」を意味する第1変化名詞littera,-ae f.の複数・対格です。
    「私は君の状況(近況)についての君の手紙を待っている」と訳せます。
    キケローの『アッティクス宛書簡集』に見られる表現です(Cic.Att.2.5.2)。

  27. Tolle istās excūsātiōnēs.
  28. 「トッレ・イスタース・エクスクーサーティオーネース」と読みます。
    tolleは「取り下げる」を意味する第3変化動詞tollō,-ere の命令法・能動態・現在、2人称単数です。
    istāsは「(2人称単数に関わる)その」を意味する指示形容詞iste,ista,istud の女性・複数・対格です。excūsātiōnēsにかかります。
    excūsātiōnēsは「言い訳」を意味する第3変化名詞excūsātiō,-ōnis f. の複数・対格です。
    「(あなたの言う)それらの言い訳を取り下げよ」と訳せます。
    セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Sen.Ep.17.5)。

  29. Quid iste tuus praeter nova carmina vātēs dōnat?
  30. 「クゥィド・イステ・トゥウス・プラエテル・ノウァ・カルミナ・ウァーテース・ドーナト」と読みます。
    Quidは「何」を意味する疑問代名詞quis,quidの中性・単数・対格です。
    isteは「(2人称単数に関わる)その」を意味する指示形容詞iste,ista,istud の男性・単数・主格です。vātēs にかかります。
    tuusは2人称の所有形容詞tuus,-a,-umの男性・単数・主格です。vātēsにかかります。
    praeterは「<対格>のほかに」を意味する前置詞です。
    novaは「新しい」を意味する第1・第2変化形容詞novus,-a,-umの中性・複数・対格です。carminaにかかります。
    carminaは「詩」を意味する第3変化名詞carmen,-minis n.の複数・対格です。
    vātēsは「詩人」を意味する第3変化名詞vātēs,-is m.の単数・主格です。文の主語です。
    dōnatは「贈る」を意味する第1変化動詞dōnō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
    「あなたのその詩人は新しい詩のほかに何を贈るのか」と訳せます。
    オウィディウスの『恋の歌』に見られる表現です(Ov.Am.1.8.57-58)。

  31. Quod est istud crīmen senectūtis?
  32. 「クゥォド・エスト・イストゥド・クリーメン・セネクトゥーティス」と読みます。
    quodは疑問形容詞quī,quae,quodの中性・単数・主格です。crīmenにかかります。
    estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
    istudは「(2人称単数に関わる)それ」を意味する指示代名詞iste,ista,istud の中性・単数・主格です。この文の主語です。「あなたの言うそれは」。
    crīmenはcrīmen,-minis n.(非難)の単数・主格です。文の補語です。
    senectūtisは「老年」を意味する第3変化名詞senectūs,-ūtis f.の単数・属格です。「目的語的属格」として使われています。「老年に対する」。
    「(あなたの言う)それはいかなる老年への非難なのか」と訳せます。
    キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.67)。

  33. Hoc illud, germāna, fuit?
  34. 「ホク・イッルド・ゲルマーナ・フイト」と読みます。
    hocは「これ」を意味する指示代名詞hic,haec,hoc の中性・単数・主格です。
    illud は「あれ」を意味する指示代名詞ille,illa,illud の中性・単数・主格です。
    germānaは「姉」を意味する第1変化名詞germanaの単数・呼格です。「姉よ」。
    fuitは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・完了、3人称単数です。
    「姉上、あれはこれだったのか(あれはこのために行われたことだったのか)」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.4.675)

  35. Memoriam illīus virī omnēs excipient annī consequentēs.
  36. 「メモリアム・イッリーウス・ウィリー・オムネース・エクスキピエント・アンニー・コンセクゥェンテース」と読みます。
    Memoriamは「記憶」を意味する第1変化名詞memoria,-ae f.の単数・対格です。excipient の目的語です。
    illīusは「あの」を意味する指示形容詞ille,illa,illud の男性・単数・属格です。virīにかかります。
    virī は「男、英雄」を意味する第2変化名詞vir,virī の単数・属格です。Memoriamにかかります。「目的語的属格」です。「英雄に対する」。
    omnēsは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnisの男性・複数・主格です。annī にかかります。
    excipientは「受け継ぐ」を意味する第3変化(B)動詞excipiō,-ere の直説法・能動態・未来、3人称複数です。
    annī は「年、歳月」を意味する第2変化名詞annus,-ī m. の複数・主格です。文の主語です。
    consequentēsは「後に続く、来たるべき」を意味する第3変化形容詞consequens,-entis の男性・複数・主格です。annīにかかります。
    「来たるべきすべての歳月があの英雄の記憶を受け継いでいくだろう」と訳せます。
    キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.19)。

  37. Ex eoōem Pontō Mēdēa illa quondam profūgisse dīcitur.
  38. 「エクス・エオーデム・ポントー・メーデーア・イッラ・クゥォンダム・プロフーギッセ・ディーキトゥル」と読みます。
    exは「~から」を意味する奪格支配の前置詞です。
    eōdemは「同じ」を意味する指示代名詞īdem,eadem,idem の男性・単数・奪格です。
    Pontōは「ポントゥス(黒海)」を意味する第2変化名詞Pontus,-ī m.の単数・奪格です。
    Mēdēaは「メーデーア」を意味する第1変化名詞Mēdēa,-ae f.の単数・主格です。
    illaは「あの」を意味する指示形容詞ille,illa,illud の女性・単数・主格です。Mēdēa にかかります。
    quondamは「かつて」を意味する副詞です。
    profūgisse は「逃亡する」を意味する第3変化B動詞profugiō,-gere の不定法・能動態・完了です。
    dīcitur は「言う」を意味する第3変化動詞dīcō,-ere の直説法・受動態・現在、3人称単数です。
    「同じポントゥス(黒海)からあのメーデーアがかつて逃亡したと伝えられる」と訳せます。
    キケローの『ポンペイユスの指揮権について』に見られる表現です(Cic.Pomp.22)。

  39. Quae quibus anteferam?
  40. 「クゥァエ・クゥィブス・アンテフェラム」と読みます。
    quaeは「誰が、何が」を意味する疑問代名詞quis,quid の中性・複数・対格です。
    quibus は同じ代名詞の中性・複数・与格です。
    anteferam は「<対格>を<与格>より優先する」を意味するanteferoの接続法・能動態・現在、1人称単数です。
    「私は何を何より優先しようか」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.4.371)。

  41. Quī homō dīcit?
  42. 「クゥィー・ホモー・ディーキト」と読みます。
    quī は「どの」を意味する疑問形容詞quī,quae,quod の男性・単数・主格です。homō にかかります。
    homō は「人間」を意味する第3変化名詞homō,hominis c. の単数・主格です。
    dīcit は「言う」を意味する第3変化動詞dīcō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
    「どの人が言うのか」と訳せます。

  43. Quod auxilium exspectās?
  44.  
    「クゥォド・アウクシリウム・エクスペクタース」と読みます。
    quodは「いかなる」を意味する疑問形容詞qui,quae,quod の中性・単数・対格です。auxilium にかかります。
    auxilium は「援助」を意味する第2変化名詞auxilium,-ī n. の単数・対格です。
    exspectāsは「期待する」を意味する第1変化動詞exspectō,-āre の直説法・能動態・現在、2人称単数です。
    「君はいかなる援助を期待するのか?」と訳せます。

  45. Quibus nunc sollicitor rebus!
  46. 「クゥィブス・ヌンク・ソッリキトル・レーブス」と読みます。
    quibusは「いかなる、どのような」を意味する疑問形容詞quī,quae,quodの女性・複数・奪格です。
    nuncは「今」を意味する副詞です。
    sollicitorは「苦しめる」を意味する第1変化動詞sollicitō,-āre の直説法・受動態・現在、1人称単数です。
    rēbus は「状況」を意味する第5変化名詞rēs,reī f.の複数・奪格です。「手段の奪格」ととると「状況によって」、「場所の奪格」ととると「状況において」。どちらも解釈として可能です。
    「今私はどんな状況に(or 状況の中で)苦しめられていることか」と訳せます。
    テレンティウスの『兄弟』に見られる表現です(Ter.Ad.36)。

  47. Quae tē, genitor, sententia vertit?
  48. 「クゥァエ・テー・ゲニトル・センテンティア・ウェルティト」と読みます。
    quaeは疑問形容詞qui,quae,quodの女性・単数・主格です。
    tēは2人称単数の人称代名詞tū の単数・対格です。
    genitorは「父」を意味する第3変化名詞genitor,-ōris m. の単数・呼格です。
    sententiaは「考え」を意味する第1変化名詞sententia,-ae f.の単数・主格です。
    vertitは「変える」を意味する第3変化動詞vertō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
    「父よ、いかなる考えがあなたを変えるのか」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg,Aen.1.237)。

  49. Hōrum omnium fortissimī sunt Belgae.
  50. 「ホールム・オムニウム・フォルティッシミー・スント・ベルガエ」と読みます。
    hōrumは「これ」を意味する指示代名詞hic,haec,hoc の男性・複数・属格です。「部分の属格」として用いられています。「これらの中で」。
    omniumは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnis,-e の男性・複数・属格です。名詞的に用いられています。
    fortissimī は「勇敢な」を意味する第3変化形容詞fortis,-e の最上級、男性・複数・主格です。
    Belgaeは「ベルガエ族」を意味する第1変化の複数名詞、主格です。
    「これらすべての中で最も勇敢なのがベルガエ族である」または「ベルガエ族はこれらすべての中で最も勇敢である」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる言葉です(B.G.1.1)。

  51. Ille vir haud magnā cum rē, sed plēnus fideī.
  52. 「イッレ・ウィル・ハウド・マグナー・クム・レー・セド・プレーヌス・フィデイー」と読みます。
    illeは「あの」を意味する指示形容詞ille,illa,illud の男性・単数・主格です。vir にかかります。
    vir は「男」を意味する第2変化名詞vir,virī m. の単数・主格です。
    haudは「まったく~ない」を意味する副詞です。
    magnā は「大きな」を意味する第1・第2変化形容詞magnus,-a,-um の女性・単数・奪格です。rēにかかります。
    cumは「<奪格>を伴った」を意味する前置詞です。
    rē は「財産」を意味する第5変化名詞rēs,reī f.の単数・奪格です。
    plēnus は「<属格>でいっぱいの」を意味する第1・第2変化形容詞plēnus,-a,-um の男性・単数・主格です。
    fideī は「信義」を意味する第5変化名詞fidēs,-eī f.の単数・属格です。
    「あの男は大きな資産は持たないが、信義でいっぱいである(信義に篤い)」と訳せます。
    キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.1)。

  53. Virtūtem amāvī illīus virī.
  54. 「ウィルトゥーテム・アマーウィー・イッリーウス・ウィリー」と読みます。
    virtūtemは「美徳」を意味する第3変化名詞virtūs,-ūtis f.の単数・対格です。
    amāvī は「愛する」を意味する第1変化動詞amō,-āre の直説法・能動態・完了、1人称単数です。
    illīus は「あの」を意味する指示形容詞ille,illa,illud の男性・単数・属格です。
    virī は「男、人物」を意味する第2変化名詞vir,virī m.の単数・属格です。
    「私はあの人物の美徳を愛した」と訳せます。
    キケローの『友情について』に見られる表現です(Cic.Amic.102)。

  55. Dat gemitum rumpitque hās īmō pectore vōcēs.
  56.  
    「ダト・ゲミトゥム・ルンピトクゥェ・ハース・イーモー・ペクトレ・ウォーケース」と読みます。
    datは「与える」を意味する不規則動詞dō,dare の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
    gemitum は「唸り声」を意味する第4変化名詞gemitus,-ūs m. の単数・対格です。
    rumpitは「炸裂させる」を意味する第3変化動詞rumpō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
    hās は「この」を意味する指示形容詞hic,haec,hoc の女性・複数・対格です。vōcēs にかかります。
    īmō は「奥底の」を意味する第1・第2変化形容詞īmus,-a,-um の中性・単数・奪格です。pectore にかかります。
    pectore は「胸」を意味する第3変化中性名詞pectus,-oris n. の単数・奪格です。
    vōcēs は「声」を意味する第3変化名詞vox,vōcis f. の複数・対格です。
    「彼は唸り声を出し、胸の奥底からこのような(次のような)声を炸裂させた」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.11.377)。

  57. Quid loquor? Aut ubi sum? Quae mentem insania mutat?
  58. 「クゥィド・ロクゥォル。アウト・ウビ・スム。クゥァエ・メンテム・インサーニア・ムータト」と読みます。
    quidは「誰が、何が」を意味する疑問代名詞quis,quid の中性・単数・対格です。あるいは「なぜ」を意味する疑問副詞ととることも可能です。
    loquorは形式受動態動詞loquor,-quī の直説法・受動態・現在、1人称単数です。
    autは「あるいは、または」を意味する接続詞です。
    ubiは「どこに」を意味する疑問副詞です。
    quaeは「どのような、なんという」を意味する疑問形容詞quī,quae,quod の女性・単数・主格です。insāniaにかかります。
    mentem は「心」を意味する第3変化名詞mens,mentis f. の単数・対格です。
    insānia は「狂気」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
    mūtat は「動かす」を意味する第1変化動詞mūtō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
    「わたしは何を(orなぜ)語っているのか。あるいはわたしはどこにいるのか。なんという狂気が心を動かすのか」と訳せます。
    カルタゴの女王ディードーの台詞です。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.4.595)。

  59. Nisi deus istis te corporis custodiis liberaverit, huc tibi aditus patere non potest.
  60. 「ニシ・デウス・イスティース・テー・コルポリス・クストーディイース・リーベラーヴェリト・フーク・ティビ・アディトゥス・パテーレ・ノーン・ポテスト」と読みます。
    nisiは「もし~でなければ」を意味する接続詞です。
    deusは「神」を意味する第2変化名詞deus,deī m.の単数・主格です。
    istīsは「(あなたに関わる)その」を意味する指示形容詞iste,ista,istud の女性・複数・奪格です。custōdiīsにかかります。
    custōdiīsは「牢獄」を意味する第1変化名詞custōdia,-ae f. の複数・奪格です。この文では「起源の奪格」として使われています。「~から」と訳します。
    līberāverit は「解放する」を意味する第1変化動詞līberō,-āre の直説法・能動態・未来完了、3人称単数です。
    hūc は「こちらに」を意味する副詞です。aditusにかけて「こちらへのaditus(入り口)が」と訳すことは可能です。
    tibiは2人称単数の人称代名詞tū の与格です。
    aditus は「入り口」を意味する第4変化名詞aditus,-ūs m.の単数・主格です。
    patēre は「開く」を意味する第2変化動詞pateō,-ēre の不定法・能動態・現在です。
    potest は「<不定法>が可能である」を意味する不規則動詞possum,posse の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
    「神が(あなたの)その肉体の牢獄からあなたを解放しなければ、こちらへの入り口があなたのために開くことはあり得ない」と訳せます。
    キケローの『国家について』に見られる言葉です(Rep.6.15)。

  61. Hī omnēs linguā, institūtīs, lēgibus inter sē differunt.
  62. 「ヒー・オムネース・リングアー・インスティトゥーティース・レーギブス・インテル・セー・ディッフェルント」と読みます。
    hīは「これ」を意味する指示代名詞hic,haec,hoc の男性・複数・主格です。原文では、ベルガエ族、アクィターニー族、ケルタエ族の3つの部族を指しています。
    omnēsは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnis,-e の男性・複数・主格です。
    linguā は「言語」を意味する第1変化名詞lingua,-ae f.の単数・奪格です。
    institūtīs は「習慣」を意味する第2変化名詞institūtum,-ī n. の複数・奪格です。
    lēgibus は「法律」を意味する第3変化名詞lex,lēgis f.の複数・奪格です。
    inter sē は熟語で「互いに」を意味します。
    differunt は「異なる」を意味する不規則動詞(合成動詞)differō(dis-+ferō)の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
    「これらすべて(の部族)は言語、習慣、法律の点で互いに異なっている」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる表現です(Caes.B.G.1.1)。

-ラテン語入門, 西洋古典
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