Tantaene animis caelestibus irae?

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「タンタエネ・アニミース・カエレスティブス・イーラエ」と読みます。
tantaeneはtantae+neと分解できます。
tantaeは「これほど大きな」を意味する第1・第2変化形容詞 tantus,-a,-umの女性・複数・主格です。iraeにかかります。
-neは「~か?」と直接疑問文を作る後倚辞(こういじ)です。
animisは「心」を意味する第2変化名詞animus,-i m. の複数・奪格です。
caelestibusは「神の、天上の」を意味する第3変化形容詞caelestis,-e の男性・複数・奪格で、animisにかかります。
iraeは「怒り」を意味する第1変化名詞 ira,-ae f.の複数・主格です。
動詞suntが省かれています。
「神々の心にこれほど大きな怒りがあるものなのか。」と訳せます。
「神々の胸中にこれほどの怒りが宿るものなのか。」など意訳が可能です。
岡・高橋訳では、「かほどの憤怒を天上の神々が胸に宿すのか」となっています。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(aen.1.11)。

アエネーイス
ウェルギリウス Publius Vergilius Maro
4794809557

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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