訳と解説

GLORIA(訳と解説)

GLORIA

Glōria in excelsīs deō,
Et in terrā pax hominibus bonae voluntātis.
Laudāmus tē. Benedīcimus tē.
Adōrāmus tē. Glōrificāmus tē.
Grātiās agimus tibi propter magnam glōriam tuam.
Domine deus, rex caelestis, deus pater omnipotens.
Domine fīlī ūnigenite, Jēsū Christe,
Domine deus, agnus deī, fīlius patris,
quī tollis peccāta mundī,
miserēre nōbīs;
quī tollis peccāta mundī,
suscipe dēprecātiōnem nostram.
Quī sedēs ad dexteram patris,
miserēre nōbīs.
Quoniam tū sōlus sanctus,
tū sōlus dominus,
tū sōlus altissimus,
Jēsū Christe,
cum sanctō spīritū, in glōriā deī patris. Āmēn.

<語彙と文法の説明>
Glōria in excelsīs deō,
Et in terrā pax hominibus bonae voluntātis.

Glōria: glōria,-ae f.(栄光)の単数・主格。動詞は省かれている。
in: <奪格>に
excelsīs: excelsum,-ī n.(高所)の複数・奪格。第1・第2変化形容詞excelsus,-a,-um(高い)からできた第2変化の中性名詞。
deō: deus,-ī m.(神)の単数・与格(「利害関係の与格」)。「神のために」。deōの次に動詞sitを補って理解する。sitは不規則動詞sum,esse(ある)の接続法・現在、3人称単数。「祈願の接続法」。「<主語>がありますように」。「栄光が(Glōria)ありますように(sit)」。
Et: そして。Glōriaを主語とする文とpaxを主語とする文をつなぐ。
in: <奪格>に
terrā: terra,-ae f.(大地)の単数・奪格。
pax: pax,pācis f.(平和)の単数・主格。動詞は省かれている。前半の文と同じくsitを補って理解する。「平和が(pax)ありますように(sit)」。
hominibus: homō,hominis c.(人間)の複数・与格(「利害関係の与格」)。「人間のために」。この文では男性名詞として用いられていると解釈する。
bonae: 第1・第2変化形容詞bonus,-a,-um (善い)の女性・複数・属格。voluntātisにかかる。
voluntātis: voluntās,-ātis f.(意志、願望)の単数・属格。hominibusにかかる(「性質の属格」)。「善い(bonae)意思の(voluntātis)人間たちのために(hominibus)」とは「善い意思をもった人間たちのために」を意味する。

<逐語訳>
高所(excelsīs)において(in)神のために(deō)栄光が(Glōria)<ありますように(sit)>。そして(Et)地上(terrā)において(in)善い(bonae)意思の(voluntātis)人間たちのために(hominibus)平和が(pax)<ありますように(sit)>。

Laudāmus tē. Benedīcimus tē.
Adōrāmus tē. Glōrificāmus tē.

Laudāmus: laudō,-āre(褒める)の直説法・能動態・現在、1人称複数。tēを目的語にとる。
tē: 2人称単数の人称代名詞、対格。「あなたを」。
Benedīcimus: benedīcō,-ere(たたえる)の直説法・能動態・現在、1人称複数。tēを目的語にとる。
Adōrāmus: adōrō,-āre(祈願する)の直説法・能動態・現在、1人称複数。tēを目的語にとる。
tē: 2人称単数の人称代名詞、対格。「あなたを」。「あなたを(tē)祈願する」。「あなたに祈願する」と訳すと自然。
Glōrificāmus: glōrificō,-āre(賛美する)の直説法・能動態・現在、1人称複数。
tē: 2人称単数の人称代名詞、対格。「あなたを」。

<逐語訳>
我々はあなたを(tē)褒める(Laudāmus)。我々はあなたを(tē)称える(Benedīcimus)。
我々はあなたに(tē)祈願する(Adōrāmus)。我々はあなたを(tē)賛美する(Glōrificāmus)。

Grātiās agimus tibi propter magnam glōriam tuam.

Grātiās: grātia,-ae f.(感謝)の複数・対格。agimusの目的語。
agimus: agō,-ere(行う)の直説法・能動態・現在、1人称複数。gratiās agereで「<与格>に感謝する」を意味する(agereはagōの不定法・能動態・現在)。
tibi: 2人称単数の人称代名詞、与格。agimusの間接目的語。「あなたに」。
propter: <対格>ゆえに
magnam: 第1・第2変化形容詞magnus,-a,-um(大きな)の女性・単数・対格。glōriamにかかる。
glōriam: glōria,-ae f.(栄光)の単数・対格。
tuam: 2人称単数の所有形容詞tuus,-a,-um(あなたの)の女性・単数・対格。glōriamにかかる。

<逐語訳>
我々は感謝を(Grātiās)あなたに(tibi)行う(agimus)、大きな(magnam)あなたの(tuam)栄光(glōriam)ゆえに(propter)。

Domine deus, rex caelestis, deus pater omnipotens.

Domine: dominus,-ī m.(主人、主)の単数・呼格。
deus: deus,-ī m.(神)の単数・呼格。「神である(deus)主よ(Domine)」。
rex: rex,rēgis m.(王)の単数・呼格。、
caelestis: 第3変化形容詞caelestis,-e(天の)の男性・単数・呼格。rexにかかる。「天の(caelestis)王よ(rex)」。
pater,-tris m.父、
omnipotens: 第3変化形容詞omnipotens,-entis(全能の)の男性・単数・呼格。paterにかかる。「全能の(omnipotens)父である(pater)神よ(deus)」。

<逐語訳>
神である(deus)主よ(Domine)、天の(caelestis)王よ(rex)、全能の(omnipotens)父である(pater)神よ(deus)。

Domine fīlī ūnigenite, Jēsū Christe,
Domine deus, agnus deī, fīlius patris,

Domine: dominus,-ī m.(主)の単数・呼格。
fīlī: fīlius,-ī m.(息子)の単数・呼格。
ūnigenite: 第1・第2変化形容詞ūnigenitus,-a,-um(ひとり子として生まれた)の男性・単数・呼格。fīlīにかかる。「ひとり子として生まれた(ūnigenite)息子である(fīlī)主よ(Domine)」。
Jēsū: Jēsūs,-ū m.(イエースース、イエス)の単数・呼格。
Christe: Christus,-ī m.(キリスト)の単数・呼格。「イエス(Jēsū)・キリストよ(Christe)」。
Domine: dominus,-ī m.(主)の単数・呼格。
deus: deus,-ī m.(神)の単数・呼格。
agnus: agnus,-ī m.(子羊)の単数・主格。
deī: deus,-ī m.(神)の単数・属格。agnusにかかる。agnus deī(神の子羊)はキリストを意味する。この文では、quī以下の従属文の先行詞として想定されるtū(あなたは)の補語とみなす。「quī以下のあなたは、神の子羊として」。
fīlius: fīlius,-ī m.(息子)の単数・主格。
patris: pater,patris m.(父)の単数・属格。fīliusにかかる。「父の息子」はキリストを意味する。「父の息子として」。

<逐語訳>
ひとり子として生まれた(ūnigenite)息子である(fīlī)主よ(Domine)、イエス・キリストよ(Jēsū Christe)、神である(deus)主よ(Domine)、神の(deī)子羊として(agnus)、父の(patris)息子として(fīlius)、

quī tollis peccāta mundī,
miserēre nōbīs;

quī: 関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・主格。英語のwhoに相当。先行詞tūは省略されている。
tollis: tollō,-ere(取り去る)の直説法・能動態・現在、2人称単数。peccātaを目的語にとる。
peccāta: peccātum,-ī n.(罪)の複数・対格。
mundī: mundus,-ī m.(世界)の単数・属格。peccātaにかかる。peccāta mundīで「世界の罪を」。
miserēre: 形式受動態動詞misereor,-ērī(憐れむ) の命令法・受動態・現在、2人称単数。「憐れみたまえ」。
nōbīs: 1人称複数の人称代名詞、与格。「われわれのために」。

<逐語訳>
世界の(mundī)罪を(peccāta)取り去る(tollis)ところの(quī)<あなたは(tū)>我々のために(nōbīs)憐れみたまえ(miserēre)。

quī tollis peccāta mundī,
suscipe dēprecātiōnem nostram.

quī: 関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・主格。英語のwhoに相当。先行詞tūは省略されている。「~ところの(quī)<あなたは(tū)>」。
tollis: tollō,-ere(取り去る)の直説法・能動態・現在、2人称単数。peccātaを目的語にとる。
peccāta: peccātum,-ī n.(罪)の複数・対格。
mundī: mundus,-ī m.(世界)の単数・属格。peccātaにかかる。peccāta mundīで「世界の罪を」。「世界の罪を取り去る(tollis)ところの(quī)<あなたは(tū)>」。
suscipe: suscipiō,-ere(受け入れる)の命令法・能動態・現在、2人称単数。「受け入れたまえ」。dēprecātiōnemを目的語にとる。
dēprecātiōnem: dēprecātiō,-ōnis f.(祈り)の単数・対格。
nostram:  1人称複数の所有形容詞 noster,-tra,-trum(我々の)の女性・単数・対格。dēprecātiōnemにかかる。

<逐語訳>
世界の(mundī)罪を(peccāta)取り去る(tollis)ところの(quī)<あなたは(tū)>我々の(nostram)祈りを(dēprecātiōnem)受け入れたまえ(suscipe)。

Quī sedēs ad dexteram patris,
miserēre nōbīs.

Quī: 関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・主格。先行詞tūは省かれている。
sedēs: sedeō,-ēre(座る)の直説法・能動態・現在、2人称単数。
ad: 〈対格〉に
dexteram: dextera,-ae f.(右側)の単数・対格。
patris: pater,-tris m.(父)の単数・属格。dexteramにかかる。
miserēre: 形式受動態動詞misereor,-ērī(憐れむ) の命令法・受動態・現在、2人称単数。「憐れみたまえ」。
nōbīs: 1人称複数の人称代名詞、与格。「我々のために」。

<逐語訳>
父の(patris)右側(dexteram)に(ad)座る(sedēs)ところの(Quī)<あなたは(tū)>我々のために(nostram)憐れみたまえ(miserēre)。

Quoniam tū sōlus sanctus,
tū sōlus dominus,
tū sōlus altissimus,

Quoniam: 「~なので」。理由を表す従属文を導く。
tū: 2人称単数の人称代名詞、主格。
sōlus: 第1・第2変化形容詞sōlus,-a,-um(単独の、唯一の)の男性・単数・主格。主語tūに対する補語として訳す(「形容詞の副詞的用法」)。「あなたは(tū)唯一の状態で(sōlus)」。「あなたは唯一」と訳すと自然。
sanctus: 第1・第2変化形容詞sanctus,-a,-um(神聖な)の男性・単数・主格。tūを主語とし、動詞es(sumの直説法・現在、2人称単数)を補った文における補語。「あなたは(tū)唯一(sōlus)神聖(sanctus)<である(es)>から(Quoniam)」。
dominus,-ī m.(主)、altissimus: altus,-a,-um(高い)の最上級 altissimus,-a,-umの男性・単数・主格。
tū: 2人称単数の人称代名詞、主格。
sōlus: 第1・第2変化形容詞sōlus,-a,-um(単独の、唯一の)の男性・単数・主格。主語tūに対する補語として訳す(「形容詞の副詞的用法」)。
dominus: dominus,-ī m.(主)の単数・主格。tūを主語とし、動詞es(sumの直説法・現在、2人称単数)を補った文における補語。「あなたは(tū)唯一(sōlus)主(dominus)<である(es)>から(Quoniam)」。
tū: 2人称単数の人称代名詞、主格。
sōlus: 第1・第2変化形容詞sōlus,-a,-um(単独の、唯一の)の男性・単数・主格。主語tūに対する補語として訳す(「形容詞の副詞的用法」)。
altissimus: 第1・第2変化形容詞altus,-a,-um(嵩い)の最上級altissimus,-a,-um(最も高い)の男性・単数・主格。tūを主語とし、動詞es(sumの直説法・現在、2人称単数)を補った文における補語。「あなたは(tū)唯一(sōlus)最も高い(dominus)(存在)<である(es)>から(Quoniam)」。

<逐語訳>
あなたは(tū)唯一(sōlus)神聖(sanctus)<である(es)>から(Quoniam)、あなたは(tū)唯一(sōlus)主(dominus)<である(es)>から、あなたは(tū)唯一(sōlus)最も高い(dominus)(存在)<である(es)>から、

Jēsū Christe,
cum sanctō spīritū, in glōriā deī patris. Āmēn.

Jēsū: Jēsūs,-ū m.(イエースース、イエス)の単数・呼格。
Christe: Christus,-ī m.(キリスト)の単数・呼格。「イエス(Jēsū)・キリストよ(Christe)」。
cum: <奪格>とともに
sanctō: 第1・第2変化形容詞sanctus,-a,-um(神聖な)の男性・単数・奪格。spīritūにかかる。
spīritū: spīritus,-ūs m.(聖霊)の単数・奪格。cum sanctō spīritūで「神聖な聖霊とともに」。
in: <奪格>の中で
glōriā: glōria,-ae f.(栄光)の単数・奪格。
deī: deus,-ī m.(神)の単数・属格。glōriāにかかる。
patris: pater,-tris m.(父)の単数・属格。glōriāにかかる。cumとinの2つの前置詞で導かれる副詞句のかかる動詞は省略。sīs(sumの接続法・現在、2人称単数)を補って理解する。この接続法は「祈願」の用法。主語は2人称単数の人称代名詞の主格tūが省略。「<あなたは(tū)>神聖な(sanctō)聖霊(spīritū)とともに(cum)、父である(patris)神の(deī)栄光(glōriā)の中に(in)<ありますように(sīs)>」。
Āmēn:  アーメン(かくあれかし)。

<逐語訳>
イエス・キリストよ(Jēsū Christe)、<あなたは(tū)>神聖な(sanctō)聖霊(spīritū)とともに(cum)、父である(patris)神の(deī)栄光(glōriā)の中に(in)<ありますように(sīs)>。アーメン(Āmēn)。

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