Nudum latro transmittit.

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「ヌードゥム・ラトロー・トランスミッティト」と読みます。
Nūdumは第1・第2変化形容詞nūdus,-a,-um(裸の)の男性・単数・対格。名詞的に用いられ、「裸の者」、「無一物の者」を意味します。
latrōはlatrō,-ōnis m.(盗賊)の単数・主格で、文の主語です。
transmittitはtransmittō,-ere(やり過ごす)の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「盗賊は裸の者をやり過ごす」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる言葉です(Sen.Ep.14)。
この言葉に、次の表現が続きます。
etiam in obsessā viā pauperī pax est.
(包囲された道でも、貧乏人には平和がある)
ユウェナーリスの次の言葉を連想します。
Cantābit vacuus cōram latrōne viātor.
(一文無しの旅人は泥棒の前で歌うだろう)

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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