「ヌードゥム・ラトロー・トランスミッティト」と読みます。
Nūdumは第1・第2変化形容詞nūdus,-a,-um(裸の)の男性・単数・対格。名詞的に用いられ、「裸の者」、「無一物の者」を意味します。
latrōはlatrō,-ōnis m.(盗賊)の単数・主格で、文の主語です。
transmittitはtransmittō,-ere(やり過ごす)の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「盗賊は裸の者をやり過ごす」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる言葉です(Sen.Ep.14)。
この言葉に、次の表現が続きます。
etiam in obsessā viā pauperī pax est.
(包囲された道でも、貧乏人には平和がある)
ユウェナーリスの次の言葉を連想します。
Cantābit vacuus cōram latrōne viātor.
(一文無しの旅人は泥棒の前で歌うだろう)
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