Dic mihi, cras istud, Postume, quando venit?

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「ディーク・ミヒ・クラース・イストゥド・ポストゥメ・クゥァンド・ウェニト」と読みます(韻律の関係でquandoの語末の母音は短い)。
dīcは「言う」を意味する第3変化動詞dīcō,-ere の命令法・能動態・現在、2人称単数です。
mihiは1人称単数の人称代名詞ego の与格です。
crās は「明日」を意味する副詞ですが、この文では名詞として擬人化されています(中性単数名詞扱い)。venitの主語に当たります。
istud は「(あなたに関わる)それ」を意味する指示代名詞iste,ista,istud の中性・単数・主格です。
Postume は「ポストゥムス」(人名)を意味する第2変化名詞Postumus,-ī m. の単数・呼格です。
quando は「いつ」を意味する疑問副詞です。
venit は「来る、訪れる」を意味する第4変化動詞veniō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
crās以下はdīcの目的語に当たる間接疑問文です。ラテン語の間接疑問文には通例接続法が用いられますが、この文では直説法が使われています。
「おまえの「明日」は、ポストゥムスよ、いつ訪れるのか、言ってくれ」と訳せます。
マルティアーリスの詩に見られる表現です(Mart.5.58.2)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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