キケローは、カエサルの『ガリア戦記』について、その文体を賞賛し(厳密には作中の人物に語らせる形で)「衣服を脱いだ裸体のごとく、あらゆる修辞的装飾を捨て、まっすぐで優美」(nudi enim sunt, recti et venusti, omni ornatu orationis tamquam veste detracte. )と評しました(『ブルートゥス』75,262)。
キケローの流れるような流麗な文体とは対照的です。
一般に、文法を終えたら最初に読む「初学者向けのテクスト」と思われていますが、実際には間接話法が駆使されていて、慣れないうちは手ごわく感じられます(本当の意味で初学者向けのテクストと言えば、ネポースの『英雄伝』だと個人的には思います)。
カエサルのラテン語を読むための本を書きました。原文の一字一句に語彙と文法の説明をつけています。これがあれば内容理解に集中できます。独学の一助になれば幸いです。
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