カエサルの文体

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Julius Caesar

キケローは、カエサルの『ガリア戦記』について、その文体を賞賛し(厳密には作中の人物に語らせる形で)「衣服を脱いだ裸体のごとく、あらゆる修辞的装飾を捨て、まっすぐで優美」(nudi enim sunt, recti et venusti, omni ornatu orationis tamquam veste detracte. )と評しました(『ブルートゥス』75,262)。

キケローの流れるような流麗な文体とは対照的です。

一般に、文法を終えたら最初に読む「初学者向けのテクスト」と思われていますが、実際には間接話法が駆使されていて、慣れないうちは手ごわく感じられます(本当の意味で初学者向けのテクストと言えば、ネポースの『英雄伝』だと個人的には思います)。

カエサルのラテン語を読むための本を書きました。原文の一字一句に語彙と文法の説明をつけています。これがあれば内容理解に集中できます。独学の一助になれば幸いです。

カエサル『ガリア戦記』第Ⅰ巻をラテン語で読む
山下 太郎

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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