- 『アエネーイス』を読んでいて asperrima(もっとも残忍な)という綴りを見ました。なぜ-issimaで終わらないのですか。
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asper(残忍な)のように、-erで終わる形容詞の最上級は、単数・属格の語尾から第1・第2変化形容詞は-īを、第3変化形容詞は-isをとったうえ、-issimus,-a,-umでなく、-rimus,-a,-umを加えます。
例として、ācer(鋭い)はācerrimus,-a,-um、celer(早い)はcelerrimus,-a,-um、līber(自由な)はlīberrimus,-a,-umとなります。
ご質問のasperrimaは『アエネーイス』第1巻14行目に見つかります。カルターゴー(Karthāgō)を形容する語です。当時世界一残忍な都市国家であったという意味であれば「相対的」最上級と理解できますが、他にも残忍な都市国家はいくつもあったと考えられる場合、「きわめて残忍な」と訳します。これはasperrimaを「絶対的」最上級と理解する例です。
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