西洋古典– category –
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アキレウスの死
アキレウスは、『イリアス』第22歌でヘクトルと戦い、勝利をおさめます。そして死にゆくヘクトルに向かって、こう言い放ちます。 「死ぬがよい。私はゼウスと他の神々がそれを終えんと欲したとき、己の運命を受け入れようぞ。」 ヘクトルの死は、トロイア... -
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ウェルギリウス『アエネーイス』第Ⅰ巻「序歌」を読むKindle版
「ウェルギリウス『アエネーイス』第Ⅰ巻「序歌」を読む(Kindle版)」は、けっこう力を入れて書きました。ワードの原稿で調べると約2万7千字ほどです。 本の紹介文を転載します。 ウェルギリウスの『アエネーイス』第1巻序歌(1-33)のすべての単語につい... -
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噂の女神:これよりも速い害悪はほかにない(ウェルギリウス・アエネーイス)
「噂」(ファーマという女神)について 『アエネーイス』第4巻に「噂」の女神が登場します。fāmaは「噂」を意味する一般名詞ですが、173行目を見るとFāma(ファーマ)と大文字で使われています。これは女神として扱われている例です。ただし「害悪」(174 ... -
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ディードーの死(4.693-705)
ディードーの死(4.693-705) Tum Iuno omnipotens longum miserata dolorem difficilisque obitus Irim demisit Olympo quae luctantem animam nexosque resolveret artus. 695 nam quia nec fato merita nec morte peribat, sed misera ante diem subito... -
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『農耕詩』のスプラギス(4.559-566)
ウェルギリウスの『農耕詩』は次の8行で締めくくられています。一般にスプラギス(印章、自分が作者だと知らせるサインのようなもの)と呼ばれる箇所です。 Haec super arvorum cultu pecorumque canebam et super arboribus, Caesar dum magnus ad altum ... -
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妻との別れ:オウィディウスの『悲しみの歌』を読む
妻との別れ:オウィディウスの『悲しみの歌』を読むⅠ Cum subit illīus tristissima noctis imāgō,quae mihi suprēmum tempus in urbe fuit,cum repetō noctem, quā tot mihi cāra relīquī,lābitur ex oculīs nunc quoque gutta meīs. Tri.1.3.1-4 <逐語... -
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Carmina non dant panem. 歌はパンを与えない
語彙と文法 「カルミナ・ノーン・ダント・パーネム」と読みます。carminaは「歌」を意味する第3変化名詞carmen,-minis n. の複数・主格です。dantは「与える」を意味する不規則動詞dō,dare の直説法・能動態・現在、3人称複数です。pānem は「パン」を意味... -
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Vivamus, mea Lesbia, atque amemus ともに生き、ともに愛し合おう:カトゥッルス
語彙と文法 「ウィーウァームス・メア・レスビア・アトクウェ・アメームス」と読みます。 vīvāmusはvīvō,-ere(生きる)の接続法・能動態・現在、1人称複数です。「意志」の用法です。 meaは1人称単数の所有形容詞meus,-a,-um(私の)の女性・単数・呼格で... -
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Ad utrumque casum paratus.
「アド・ウトルムクゥェ・カースム・パラートゥス」と読みます。 adは「<対格>に対して」を意味する前置詞です。 utrumqueは「2人、2つのうちのどちらも」を意味する代名詞的形容詞uterque,utraque,utrumqueの男性・単数・対格です。 cāsumは「状況」を...