西洋古典– category –
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珍しきものが喜ばれる:マルティアーリス
マルティアーリスの詩に見られる表現です。マルティアーリスはエピグラムと呼ばれる短い詩を得意としました。表題の言葉は次の詩に出てきます。 rāra iuvant: prīmīs sīc mājor grātia pōmīs, hībernae pretium sīc meruēre rosae. 珍しきものが喜ばれるの... -
閑暇の実り:キケロー『弁論家について』
『弁論家について』の本題とは直接関係はない箇所に、閑暇(otium)の意義をめぐるちょっとした表現が見つかりました。 verum oti fructus est non contentio animi, sed relaxatio. (D.O.2.6.22) しかし(verum)閑暇の(oti)実りとは(fructus)精神の... -
「平和は戦争から生まれる」:ネポース
pax paritur bello. 平和は戦争から生まれる。 ネポースの言葉です(『英雄伝』、エパミノンダス、5,4)。似たような表現に、「もし平和を望むなら、戦争を準備せよ」(Si vis pacem, para bellum. )というのがあります(ウェゲティウス)。 キケロー... -
ニール・アドミーラーリー(不動心):ホラーティウス
ホラーティウスの詩句を紹介します。 nil admirari prope res est una, Numici, solaque quae possit facere et servare beatum. 何事にも驚かないということが、ヌミーキウスよ、 人を幸福にし、幸福に保つことのできるただひとつの道だ。 (ホラーティウ... -
Perseusプロジェクト版「アエネーイス」
Perseus Project のアエネーイスへのリンクを載せておきます。どれだけ便利かは使ってみてわかると思います。 P.Vergilius Maro, Aeneid (J.B.Greenough, Ed.) コニントンの注釈もオンラインで調べることができます。実物の活字は小さいのですが、ウェブ版... -
「われ憎み、かつ愛す」:カトゥッルス
『ギリシア人・ローマ人のことば』(岩波ジュニア新書)の中に、カトゥッルスの残したことばとして、表題の「われ憎み、かつ愛す」(Odi et amo)が紹介されています。典拠となる85番の詩は、次の2行だけですが、簡潔な表現の中にも、深い恋愛心理の洞察... -
人生を演じきる:キケロー『老年について』
キケローは人生を劇に例え、ある場面の役者は自分の役を演じきったら、劇の最後まで残っていてはいけないといいます。この世に於ける自分の役はなになのか?何を演じきることが自分の務めなのか。日頃なかなか立ち止まって考える余裕はありませんが、折を... -
死はなにものでもない:キケロー『老年について』
キケローは『老年について』(De Senectute)の中でカトー(老人の鑑として登場)に次のように語らせています。(66節) Avaritia vero senilis quid sibi velit, non intellego; 老人の貪欲さが何を自らに求めているか、私は理解できない。 potest enim q... -
老人は気難しいか:キケロー『老年について』
キケローは『老年について』の中で、老人が気むずかしいという意見について、次のように反論しています。下の引用文の最後に出てくる『兄弟』とはテレンティウスの喜劇作品のことです(西洋古典叢書から私の訳が出ています)。この作品では温厚な老人と気... -
時間は永遠のある部分である:キケロー『想案論』
Tempus est quaedam pars aeternitatis. キケローの言葉です。「時間(tempus)は、永遠の(aeternitatis)ある(quaedam)部分(pars)である。」という意味です。 aeternitas の単数・属格が aeternitatis となります。 自分の生きている時代は、永遠の...