ルクレーティウス– tag –
-
ルクレーティウス第2巻冒頭四行解説
ルクレーティウス第2巻冒頭四行は有名です。 逐語訳と一字一句の解説を行います。 Suāve, marī magnō turbantibus aequora ventīs ē terrā magnum alterius spectāre labōrem; Suāve: 第3変化形容詞suāvis,-e(快い)の中性・単数・主格。文の補語。動詞e... -
Deus ille fuit qui princeps vitae rationem invenit.
「デウス・イッレ・フイト・クゥィー・プリンケプス・ウィータエ・ラティオーネム・インウェーニト」と読みます。 deus はdeus,deī m.(神)の単数・主格です。文の補語です。 ille は指示代名詞ille,illa,illud(あれ、それ)の男性・単数・主格です。文... -
Felix qui potuit rerum cognoscere causas.
「フェーリクス・クゥィー・ポトゥイット・レールム・コグノスケレ・カウサース」と読みます。 Fēlixは第3変化形容詞fēlix,-īcis(幸福な)の男性・単数・主格です。文の補語です。動詞est(sumの直説法・現在、3人称単数)が省略されています。 quīは関係... -
Ex nihilo nihil fit.
「エクス・ニヒロー・ニヒル・フィト」と読みます。 Ex は「<奪格>から」を意味する前置詞です。 nihilō は「無」を意味する第2変化中性名詞nihilum,-ī n. の単数・奪格です。 fit は「生じる」を意味する不規則動詞 fīō,fierī の直説法・能動態・現在、... -
O miseras hominum mentes, o pectora caeca!
「オー・ミセラース・ホミヌム・メンテース・オー・ペクトラ・カエカ」と読みます。 Ō は感嘆詞です。 miserās は「惨めな」を意味する第1・第2変化形容詞 miser,-sera,-serum の女性・複数・対格です。 hominum は「人間」を意味する第3変化名詞 homō,hom... -
Tantum religio potuit suadere malorum.
「タントゥム・レリギオー・ポトゥイト・スアーデーレ・マロールム」と読みます。 tantumは「これだけ多くのもの(量)」を意味する第2変化名詞 tantum,-i n.の単数・対格です。suadereの目的語です。 religioは「宗教、迷信」を意味する第3変化名詞 relig... -
愛は遠ざけるべし
ヘーローとレアンドロスの悲劇について、ウェルギリウスは『農耕詩』第3巻258-263で次のように言及しています。 「恐ろしい愛に身を焦がす、かの若者を想え。彼は真暗な夜更けに、嵐が吹き荒れ波立ち騒ぐ海峡を泳ぎ渡る。彼の頭上には天の巨大な門が雷鳴を... -
愛はすべてにうち勝つ
Omnia vincit Amor. 愛はすべてにうち勝つ 出典はウェルギリウスの『牧歌』第10歌です(Verg.Ecl.10,69)。 以下は、愛する女性リュコーリスを失ったガッルスの嘆きの言葉です。 おれは行く、そうして、昔、カルキス風に作った自分の詩に、シキリアの牧... -
厳格で非情な死の定め:ルクレーティウスとウェルギリウス
optima quaeque dies miseris mortalibus aeui prima fugit; subeunt morbi tristisque senectus et labor, et durae rapit inclementia mortis. 「哀れな死すべき生き物にとって、各々の最良の日々は いち早く逃げ去る。病気と悲しい老年と苦しみが後に続... -
死は我々にとって何ものでもない:ルクレーティウス
古代ローマの詩人ルクレーティウスは『事物の本性』第3巻(830以下)で次のように述べています。 「精神の本質は死すべきものである、と理解するにいたれば、 死は我々にとって取るに足りないことであり、一向問題ではなくなってくる。(中略) 結合して...
12