ルクレーティウス– tag –
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西洋古典
愛はすべてにうち勝つ
Omnia vincit Amor. 愛はすべてにうち勝つ 出典はウェルギリウスの『牧歌』第10歌です(Verg.Ecl.10,69)。 以下は、愛する女性リュコーリスを失ったガッルスの嘆きの言葉です。 おれは行く、そうして、昔、カルキス風に作った自分の詩に、シキリアの牧... -
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厳格で非情な死の定め:ルクレーティウスとウェルギリウス
optima quaeque dies miseris mortalibus aeui prima fugit; subeunt morbi tristisque senectus et labor, et durae rapit inclementia mortis. 「哀れな死すべき生き物にとって、各々の最良の日々は いち早く逃げ去る。病気と悲しい老年と苦しみが後に続... -
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死は我々にとって何ものでもない:ルクレーティウス
古代ローマの詩人ルクレーティウスは『事物の本性』第3巻(830以下)で次のように述べています。 「精神の本質は死すべきものである、と理解するにいたれば、 死は我々にとって取るに足りないことであり、一向問題ではなくなってくる。(中略) 結合して... -
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ルクレーティウスの幸福観
エピクロス派の詩人ルクレーティウスは、『物の本質について』(De Rerum Natura)と題する作品を残しています。その第2巻冒頭を樋口勝彦訳(岩波文庫)で見てみましょう。 「大海で風が波を掻き立てている時、陸の上から他人の苦労をながめていのは面白い... -
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愛を遠ざける話:ルクレーティウス
ヘーローとレアンドロスの悲劇について、ウェルギリウスは『農耕詩』第3巻258-263で次のように言及しています。 「恐ろしい愛に身を焦がす、かの若者を想え。彼は真暗な夜更けに、嵐が吹き荒れ波立ち騒ぐ海峡を泳ぎ渡る。彼の頭上には天の巨大な門が雷鳴... -
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ルクレーティウスによる黄金時代解釈
古代ギリシアの詩人ヘシオドスの語る五時代説話において、遠い過去には神と変わらぬ黄金の族がいて、心に憂いなく、争いを知らず、あらゆるよきものに恵まれて暮らしていたことが言われます(109-120)。一方、現実は悲惨な鉄の種族の代であり、人は日夜労... -
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「聖婚」(ヒエロス・ガモス)の描写:ルクレーティウス
ローマの詩人ルクレーティウスは、『事物の本性について』第2巻で、天と地の交わり(文学の伝統上、「聖婚」とよばれるテーマ)を次のように描いています(DRN.2.991-997)。 こうしてわれわれはみな、天空の種子から生まれ出ている。 天空はすべてのもの... -
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文明の発展と人間の所有欲:ルクレーティウス
ルクレーティウスの『事物の本性について』(岩波文庫、樋口訳)第5巻1416以下には、次のような文明批判が認められます。所有欲批判の立場は、作品の全体を貫くこの詩人の基本的立場です。むろんギリシアの哲学者エピクロスの立場でもあります。 「かくて... -
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「すべての土地がすべてを生むだろう」(ウェルギリウス『牧歌』第4歌訳)
ウェルギリウスの『牧歌』とは、田園世界の美しさや恋、歌を主題とした詩10篇(各々100行前後の短い詩)を集めた詩集です。詩人が30歳前後の頃の作品であるといわれています。次にご紹介する第4歌は、典型的な牧歌と言うには、やや社会的、政治的...