直説法・能動態・完了の例文

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直説法・能動態・完了の例文

  • Ariovistus ad Caesarem lēgātōs mīsit.
  • アリオウィストゥスはカエサルに使節を送った。
    mīsitはmittō,-ere(送る)の直説法・能動態・完了、3人称単数です。

  • Subitō timor omnem exercitum occupāvit.
  • 「スビトー・ティモル・オムネム・エクセルキトゥム・オックパーウィト」と読みます。
    subitōは「突然」を意味する副詞です。
    timorは「恐怖」を意味する第3変化名詞、単数・主格です。
    omnemは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnis,-eの男性・単数・対格です。
    exercitumは「軍」を意味する第4変化名詞exercitus,-ūs m.の単数・対格です。
    occupāvitは「とらえる」を意味する第1変化動詞occupō,-āre,-āvī の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「突然恐怖が軍全体をとらえた」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる表現です(Caes.B.G.1.39)。

  • In Graeciā mūsicī flōruērunt.
  • 「イン・グラエキアー・ムーシキー・フロールエールント」と読みます。
    Graeciāは「ギリシャ」を意味する第1変化名詞、単数・奪格です。
    mūsicīは「音楽家」を意味する第2変化名詞mūsicus,-ī m. の複数・主格です。
    flōruēruntは「栄える」を意味する第2変化動詞flōreō,-ēre の直説法・能動態・完了、3人称複数です。
    「ギリシャでは音楽家が栄えた」と訳せます。
    キケローの『トゥスクルム荘対談集』に見られる表現です(Cic.Tusc.1.2.4)。

  • Urbs antīqua fuit.
  • 「ウルプス・アンティークゥァ・フイト」と読みます。
    urbsは urbs,urbis f.(都)の単数・主格です。
    antīquaは「古い」を意味する第1・第2変化形容詞antīquus,-a,-umの女性・単数・主格です。
    fuitは「~がある」を意味する不規則動詞sum,esse の直説法・完了、3人称単数です。
    「古い都があった」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.1.12 )。

  • Fortūna omnia ea victōribus praemia posuit.
  • 「フォルトゥーナ・オムニス・エア・ウィクトーリブス・プラエミア・ポスイト」と読みます。
    Fortūnaは「運命の女神」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
    omniaは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnis,-eの中性・複数・対格です。ここでは名詞的に使われ、「すべてのもの」を意味します。
    eaは「その」を意味する指示形容詞is,ea,idの中性・複数・対格です。omnia eaで「それらすべてのものを」と訳します。
    victōribusは「勝者」を意味する第3変化名詞victor,-ōris m. の複数・与格です。
    praemiaは「褒美」を意味する第2変化中性名詞praemium,-ī n. の複数・対格です。目的語の補語です。
    posuitは「差し出す」を意味する第3変化動詞pōnō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「運命の女神はそれらすべてのものを勝者に褒美として差し出した」と訳せます。
    サッルスティウスの『カティリーナ戦記』に見られる表現です(Sall.Cat.20.14)。

  • Attat, periī hercle ego miser!
  • 「アッタト・ペリイー・ヘルクレ・エゴ・ミセル」と読みます。
    attatは「おっと」を意味する間投詞です。
    periīは「破滅する」を意味する不規則動詞(合成動詞)pereō(per+eō),-īre の直説法・能動態・完了、1人称単数です。
    hercleは「ヘルクレースに誓って」を意味する間投詞です。
    miserは「惨めな」を意味する第1・第2変化形容詞miser,-era,-erumの男性・単数・主格です。egoと「性・数・格」は一致します。
    「惨めな(miser)私は(ego)破滅した(periī)」と訳すこともできますが、miserを「形容詞の副詞的用法」とみなし、「私は惨めに破滅した」と解釈します。
    全体をまとめると、「おっと、へルクレースに誓って、俺は惨めに破滅したことになるぞ」と訳せます。
    プラウトゥスの『黄金の壺』に見られる表現です(Pl.Aul.3.1.8)。

  • Mediās aciēs mediōsque per ignīs invēnēre viam.
  • 「メディアース・アキエース・メディオースクゥェ・ペル・イグニース・インウェーネーレ・ウィアム」と読みます。
    mediāsは「中央の」を意味する第1・第2変化形容詞medius,-a,-umの女性・複数・対格です。
    aciēsは「戦列」を意味する第5変化名詞aciēs,-ēī f.の複数・対格です。
    mediōsは第1・第2変化形容詞medius,-a,-um(中央の)の男性・複数・対格です。
    -queは「そして」。aciēsとignīsをつなぎます。
    perは「<対格>を通じて」を意味する前置詞です。
    ignisは「炎」を意味する第3変化名詞ignis,-is m.の複数・対格です。
    invēnēreは「見出す」を意味する第4変化動詞inveniō,-īre の直説法・能動態・完了、3人称複数です(invēnēruntの別形)。
    viamは第1変化名詞via,-ae f.(道)の単数・対格です。
    「彼らは中央の(Mediās)戦列(aciēs)と(-que)中央の(mediōs)火(ignīs)を通じて(per)道を(viam)見出した(invēnēre)」。
    「彼らは戦列のただ中、炎の間に道を見出した」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.7.296-297)。

  • Quid Syrtēs aut Scylla mihī, quid vasta Charybdis prōfuit?
  • 「クゥィド・シュルテース・アウト・スキュッラ・ミヒー・クゥィド・ウァスタ・カリュブディス・プローフイト」と読みます。
    quidは「どうして?」を意味する疑問副詞です。
    Syrtēsは航海の難所として知られた2つの浅瀬の名です(第3変化名詞Syrtis,-is f.の複数・主格です)。
    Scyllaは第1変化名詞 Scylla,-ae f.(スキュッラ)の単数・主格です。岩礁の名です。「Sicilia 島と Italia 本土の間の Siculum fretum(現 Messina 海峡)にある岩礁」(羅和辞典)。
    mihīは1人称の人称代名詞、単数・与格です。mihī(ミヒー)とウルティマ(後ろから数えて1番目の音節)が長いのは、韻律の都合上(metrī causā)そうなります。
    vastaは第1・第2変化形容詞vastus,-a,-um(巨大な)の女性・単数・主格です。Charybdisにかかります。
    Charybdisはシキリア島に見られる巨大な渦巻きの名称です。第3変化名詞Charybdis,-is f.の単数・主格です。
    prōfuitは「役に立つ」を意味する不規則動詞(合成動詞)prōsum,prōdesse の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「どうしてシュルテースやスキュッラ、巨大なカリュブディスが私の役に立ったといえようか」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.7.302-303)。

  • Litterās Graecās senex didicī.
  • Cic.Sen.26
    「リッテラース・グラエカース・セネクス・ディディキー」と読みます。
    litterāsは「文学」を意味する第1変化名詞littera,-ae f.の複数・対格です。
    Graecāsは「ギリシャの」を意味する第1・第2変化形容詞Graecus,-a,-umの女性・複数・対格です。Litterāsにかかります。
    senexは「老人」を意味する第3変化名詞senex,senis c.の単数・主格です。この文では主格補語として用いられています。直訳は「老人として」ですが、文脈から判断して「老人になって」と訳します。
    dīdicīは「学ぶ」を意味する第3変化動詞discō,-ere の直説法・能動態・完了、1人称単数です。
    「私は老人になってギリシャ文学を学んだ」と訳せます。
    キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.26)。

  • Prōtinus omne contremuit nemus et silvae insonuēre profundae.
  • 「プローティヌス・オムネ・コントレムイト・ネムス・エト・シルウァエ・インソヌエーレ・プロフンダエ」と読みます。
    prōtinusは「絶え間なく」を意味する副詞です。
    omneは「全体の」を意味する第3変化形容詞 omnis,-eの中性・単数・主格です。nemusにかかります。
    contremuitは「震える」を意味する第3変化動詞contremō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    nemusは「森」を意味する第3変化名詞nemus,nemoris n.の単数・主格です。
    silvaeは「森林」を意味する第1変化名詞silva,-ae f.の複数・主格です。
    insonuēreは「鳴り響く」を意味する第1変化動詞insonō,-āre の直説法・能動態・完了、3人称複数です(insonuēruntの別形)。
    profundaeは「深い」を意味する第1・第2変化形容詞profundus,-a,-umの女性・複数・主格です。silvaeにかかります。
    「森全体が絶え間なく震え、深い森林が鳴り響いた」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.7.514-515)。

  • Intonuēre polī et crēbris micat ignibus aethēr.
  • 「イントヌエーレ・ポリー・エト・クレーブリース・ミカト・イグニブス・アエテール」と読みます。
    intonuēreは「とどろく」を意味する第1変化動詞intonō,-āre の直説法・能動態・完了、3人称複数です(intonuēruntの別形)。
    polīは「天極」を意味する第2変化名詞polus,-ī m.の複数・主格です。
    crebrīsは「頻繁な」を意味する第1・第2変化形容詞creber,-bra,-brumの男性・複数・奪格です。ignibusにかかります。
    micatは「輝く」を意味する第1変化動詞micō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。この動詞は現在の形をしていますが、「歴史的現在」と解釈できます(形は現在で意味は過去)。
    ignibusは「雷火」を意味する第3変化名詞ignis,-is m. の複数・奪格です。
    aetherは「天空」を意味する第3変化名詞aether,-eris m. の単数・主格です。
    「天極はとどろき、天空は頻繁な雷火で(何度も雷火で)輝いた」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.1.90)。

  • Constitit hīc arcumque manū celerīsque sagittās corripuit.
  • 「コンスティティト・ヒーク・アルクムクゥェ・マヌー・ケレリースクゥェ・サギッタース・コッリプイト」と読みます。
    constititは「立ち止まる」を意味する第1変化動詞constoの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    hīcは「ここで」を意味する副詞です。
    arcumは「弓」を意味する第4変化名詞arcus,-ūs m. の単数・対格です。
    manū は「手」を意味する第4変化名詞manus,-us f. の単数・奪格です。
    clererīsは「素早い」を意味する第3変化形容詞celer,-eris の女性・複数・対格です。sagittāsにかかります。
    sagittāsは「矢」を意味する第1変化名詞sagitta,-ae f.の複数・対格です。
    corripuitは「つかむ」を意味する第3変化動詞corripiō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「彼はここで立ち止まり、弓と素早い矢を手でつかんだ」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.1.187-188)。

  • Caesar Gallōrum animōs verbīs confirmāvit.
  • 「カエサル・ガッロールム・アミーコース・ウェルビース・コンフィルマーウィト」と読みます。
    CaesarはCaesar,-aris m.(カエサル)の単数・主格です。
    Gallōrumは「ガッリー人、ガリア人」を意味する第2変化複数名詞Gallī,-ōrum m.の属格です。
    animōsは「精神」を意味する第2変化名詞animus,-ī m.の複数・対格です。
    verbīsは「言葉」を意味する第2変化中性名詞verbum,-ī n.の複数・奪格です。
    confirmāvitは「励ます」を意味する第1変化動詞confirmō,-āre の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「カエサルはガッリー族の精神を言葉によって励ました」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる表現です(Caes.B.G.1.33)。

  • Nihil malī accidisse Scīpiōnī putō.
  • 「ニヒル・マリー・アッキディッセ・スキーピオーニー・プトー」と読みます。
    nihilは「無」を意味する不変化名詞、単数・対格です(対格不定法の意味上の主語)。
    malīは「不幸、悪いこと」を意味する第2変化名詞malum,-ī n.の単数・属格です。
    accidisseは「起きる」を意味する第3変化動詞accidō,-ere の不定法・能動態・完了です。
    Scīpiōnīは「スキーピオー(人名)」を意味する第3変化名詞Scīpiō,-ōnis m.の単数・与格です。
    putōは「考える」を意味する第1変化動詞putō,-āre の直説法・能動態・現在、1人称単数です。
    「スキーピオーには何も悪いことが起きなかったと私は考える」と訳せます。
    キケローの『友情について』に見られる表現です(Cic.Amic.101)。

  • Sōcratēs prīmus philosophiam dēvocāvit ē caelō et in urbibus collocāvit et in domōs etiam introduxit, et coēgit dē vītā et mōribus rēbusque bonīs et malīs quaerere.
  • 「ソークラテース・プリームス・ピロソピアム・デーウォカーウィト・エー・カエロー・エト・イン・ウルビブス・コッロカーウィト・エト・イン・ドモース・エティアム・イントロードゥクシト・エト・コエーギト・デー・ウィーター・エト・モーリブス・レーブス・クゥェ・ボニース・エト・マリース・クゥァエレレ」と読みます。
    prīmusは「最初の」を意味する第1・第2変化形容詞、男性・単数・主格です。この文では副詞的に使われ、「初めて、最初に」と訳します。
    philosophiamは「哲学」を意味する第1変化名詞philosophiaの単数・対格です。
    dēvocāvitは「呼び寄せる」を意味する第1変化動詞dēvocō,-āre の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    ēは「<奪格>から」を意味する前置詞です。
    caelōは「天」を意味する第2変化中性名詞caelum,-ī n.の単数・奪格です。
    urbibusは「都市」を意味する第3変化名詞urbs,urbis f.の複数・奪格です。
    collocāvitは「据え置く」を意味する第1変化動詞collocō,-āre の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    domōsは「家」を意味する第4変化名詞domus,-ūs f.の複数・対格です。
    etiamは「~さえ」を意味する副詞です。
    intrōduxitは「招き入れる」を意味する第3変化動詞intrōdūcō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    coēgitは「促す」を意味するcogoの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    dēは「<奪格>について」を意味する前置詞です。
    vītāは「人生」を意味する第1変化名詞vīta,-ae f.の単数・奪格です。
    mōribusは「習慣」を意味する第3変化名詞mōsの複数・奪格です。
    rēbusは「こと、事柄」を意味する第5変化名詞rēs,reī f.の複数・奪格です。
    bonīsは「善い」を意味する第1・第2変化形容詞bonus,-a,-umの女性・複数・奪格です。
    malīsは「悪い」を意味する第1・第2変化形容詞malus,-a,-umの女性・複数・奪格です。
    quaerereは「問う」を意味する第3変化動詞quaerō,-ere の不定法・能動態・現在です。
    「ソークラテースは初めて哲学を天から呼び寄せ、それを諸都市に据え置き、家の中にさえ招き入れ、人生や習慣、善いこと、悪いことについて問うように促した」と訳せます。
    キケローの『トゥスクルム荘対談集』に見られる表現です(Cic.Tusc.5.4.10)。

  • Multōrum obtrectātiō dēvīcit ūnīus virtūtem.
  • 「ムルトールム・オブトレクターティオー・デーウィーキト・ウーニーウス・ウィルトゥーテム」と読みます。
    multōrumは「多くの」を意味する第1・第2変化形容詞multus,-a,-umの男性・複数・属格です。名詞的に用いられ、「多くの者たちの」を意味します。obtrectātiōにかかります。
    obtrectātioは「中傷」を意味する第3変化名詞 obtrectātiō,-ōnis f.の単数・主格です。
    dēvīcitは「打ち負かす」を意味する第3変化動詞dēvincō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    ūnīusは「一人の、一つの」を意味する代名詞的形容詞ūnus,-a,-umの男性・単数・属格です。この文では名詞的に使われています。
    virtūtemは「美徳」を意味する第3変化名詞virtūs,-ūtis f.の単数・対格です。
    「多くの人間の中傷が1人の人間の美徳を打ち負かした」と訳せます。
    ネポースの『英雄伝』(ハンニバル)に見られる表現です(Nep.Han.1)。

  • Urbem Rōmam ā principiō rēgēs habuēre; lībertātem et consulātum L. Brūtus instituit.
  • 「ウルベム・ローマム・アー・プリンキピオー・レーゲース・ハブエーレ・リーベルターテム・エト・コンスラートゥム・ルーキウス・ブルートゥス・インスティトゥイト」と読みます。
    urbemは「都市」を意味する第3変化名詞urbs,urbis f.の単数・対格です。
    Rōmamは「ローマ」を意味する第1変化名詞Rōma,-ae f.の単数・対格です。
    aは「<奪格>から」を意味する前置詞です。
    principiōは「初め」を意味する第2変化名詞principium,-ī n.の単数・奪格です。
    rēgēsは「王」を意味する第3変化名詞rex,rēgis m.の複数・対格です。
    habuēreは「持つ」を意味する第2変化動詞habeō,-ēre の直説法・能動態・完了、3人称複数です。
    lībertātemは「自由」を意味する第3変化名詞lībertās,-ātis f.の単数・対格です。
    consulātumは「執政官職」を意味する第4変化名詞consulātus,-ūs m.の単数・対格です。
    L.はLūcius(ルーキウス)のことです。
    instituitは「定める」を意味する第3変化動詞instituō,-ereの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「都市ローマを当初から王たちが支配した。自由と執政官職をルーキウス・ブルートゥスが定めた」と訳せます。

  • Sophoclēs ad summam senectūtem tragoediās fēcit.
  • 「ソポクレース・アド・スッマム・セネクトゥーテム・トラゴエディアース・フェーキト」と読みます。
    adは「<対格>の時に」を意味する前置詞です。
    summamは第1・第2変化形容詞superus,-a,-um(上の)の最上級で「最も高い」を意味する第1・第2変化形容詞summus,-a,-umの女性・単数・対格です。senectūtemにかかります。この文ではad summam senectūtemという形で用いられ、「きわめて高齢になって」を意味します。
    senectūtemは「老年」を意味する第3変化名詞senectūs,-ūtis f.の単数・対格です。
    tragoediāsは「悲劇」を意味する第1変化名詞tragoedia,-ae f.の複数・対格です。
    fēcitは「作る、書き上げる」を意味する第3変化動詞faciō,facere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「ソポクレースはきわめて高齢になって悲劇を書いた」と訳せます。
    キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.22)。

  • Ariovistus ad postulāta Caesaris pauca respondit, dē suīs virtūtibus multa praedīcāvit.
  • 「アリオウィストゥス・アド・ポストゥラータ・カエサリス・パウカ・レスポンディト・デー・スイース・ウィルトゥーティブス・ムルタ・プラエディーカーウィト」と読みます。
    adは「<対格>に対して」を意味する前置詞です。
    postulātaは「要求」を意味する第2変化名詞postulātum,-ī n.の複数・対格です。
    Caesarisは「カエサル」を意味する第3変化名詞Caesarの単数・属格です。
    paucaは「僅かの」を意味する第1・第2変化形容詞paucus,-a,-umの中性・複数・対格です。
    responditは「返答する」を意味する第3変化動詞respondeō,-ēreの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    dēは「<奪格>について」を意味する前置詞です。
    suīsは「自分の」を意味する3人称の所有形容詞suus,-a,-umの女性・複数・奪格です。virtūtibusにかかります。
    virtūtibusは「功績」を意味する第3変化名詞virtūs,-ūtis f.の複数・奪格です。
    multaは「多くの」を意味する第1・第2変化形容詞multus,-a,-umの中性・複数・対格です。
    praedīcāvitは「賞賛する」を意味する第1変化動詞praedīcō,-ereの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「アリオウィストゥスはカエサルの要求には僅かしか返答せず、自分の功績については多くの自賛を行った」と訳せます。
    カエサルの『ガリア戦記』に見られる表現です(Caes.B.G.1.44)。

  • Vēnit summa diēs et inēluctābile tempus Dardaniae. Fuimus Trōēs, fuit Īlium et ingens glōria Teucrōrum.
  • 「ウェーニト・スッマ・ディエース・エト・イネールクタービレ・テンプス・ダルダニアエ。フイムス・トローエース・フイト・イーリウム・エト・インゲンス・グローリア・テウクロールム」と読みます。
    vēnitは「来る」を意味する第4変化動詞veniō,-īre の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    summaは「最後の」を意味する第1・第2変化形容詞summus,-a,-umの女性・単数・主格です。diēsにかかります。
    diēsは「日」を意味する第5変化名詞diēs,-ēī f.の単数・主格です。
    inēluctābileは「避けられない」を意味する第3変化形容詞inēluctābilis,-eの中性・単数・主格です。tempusにかかります。
    tempusは「時」を意味する第3変化名詞tempus,-poris n.の単数・主格です。
    Dardaniaeはトロイヤの別名ダルダニアを意味する第1変化名詞Dardania,-ae f.の単数・属格です。
    fuimusは「~である」を意味する不規則動詞sumの直説法・完了、1人称複数です。
    Trōēsは「トロイヤ人」を意味する第3変化複数名詞Trōēs,-um m.pl.の主格です。
    fuitは「~がある」を意味する不規則動詞sumの直説法・完了、3人称単数です。
    Īliumはトロイヤの別名イーリウムを意味する第2変化中性名詞Īlium,-ī n.の単数・主格です。
    ingensは「大きな」を意味する第3変化形容詞ingens,ingentis の女性・単数・主格です。
    glōriaは「栄光」を意味する第1変化名詞glōria,-ae f.の単数・主格です。
    Teucrōrumは「テウクリア人(=トロイヤ人)」を意味する第2変化複数名詞Teucrī,-ōrum m.pl.の属格です。
    「最後の1日と避けることのできない時がダルダニアに来た。我々はトロイヤ人であった(今はそうではない)。イーリウムとテウクリア人の大いなる栄光があった(今はない)」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.2.324-326)。

  • Quis tē, Palinūre, deōrum ēripuit nōbīs mediōque sub aequore mersit?
  • 「クゥィス・テー・パリヌーレ・デオールム・エーリプイト・ノービース・メディオーークゥェ・スブ・アエクゥォレ・メルシト」と読みます。
    quisは「誰が」を意味する疑問代名詞、男性・単数・主格です。
    tēは2人称単数の人称代名詞、対格です。
    Palinūreは「パリヌールス」を意味する第2変化名詞Palinūrus,-ī m.の単数・呼格です。
    deōrumは「神」を意味する第2変化名詞deus,-ī m.の複数・属格です。
    ēripuitは「奪う」を意味する第3変化動詞ēripiō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。「<対格>を<与格>から奪う」という構文を取ります。
    nōbīsは1人称の人称代名詞nōsの複数・与格です。
    mediōは「真ん中の」を意味する第1・第2変化形容詞medius,-a,-umの中性・単数・奪格です。
    subは「<奪格>の下に」を意味する前置詞です。
    aequoreは「海」を意味する第3変化中性名詞aequor,-oris の単数・奪格です。
    mersitは「沈める」を意味する第3変化動詞mergō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
    「パリヌールスよ、神々の誰がおまえを我々から奪い、海の真ん中に沈めたのか」と訳せます。
    ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Verg.Aen.6.341-342)。

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ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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