『農耕詩』1.231-258
Idcirco certis dimensum partibus orbem
per duodena regit mundi sol aureus astra.
それゆえ、一定の部分によって測り分けられた天球を
黄金の太陽が宇宙の一二の星座をめぐりながら支配する。
quinque tenent caelum zonae: quarum una corusco
semper sole rubens et torrida semper ab igni;
五つの帯が天を占める。そのうちの一つは、常に輝く太陽によって
赤く、その炎によって常に燃え上がる。
quam circum extremae dextra laeuaque trahuntur 235
caeruleae, glacie concretae atque imbribus atris;
その周囲の、一番外側で右に左に取り巻く帯は
黒く、氷と暗い雨によって凝結している。
has inter mediamque duae mortalibus aegris
munere concessae diuum, et uia secta per ambas,
obliquus qua se signorum uerteret ordo.
これらと中央の間にある二つの帯が、か弱い人間たちのために、
神々の恵みによって授けられ、その二つの間に道が切り開かれた。
その道の上を、傾いた星座の配列が自らを回転させるようにと。
mundus, ut ad Scythiam Riphaeasque arduus arces 240
consurgit, premitur Libyae deuexus in Austros.
地球はスキュティアとリパエイの峰に向かってそびえ立ち、
南のリビュアに向かって下降しながら沈んでいく。
hic uertex nobis semper sublimis; at illum
sub pedibus Styx atra uidet Manesque profundi.
こちらの極(天の北極)は常に我々の頭上にあるが、あちらの極(天の南極)は
我々の足の下にあり、漆黒のステュクス川と深淵の死霊たちが眺める。
maximus hic flexu sinuoso elabitur Anguis
circum perque duas in morem fluminis Arctos, 245
Arctos Oceani metuentis aequore tingi.
こちら(北極)では巨大な竜座(アングイス)が曲がったくびれを伴って滑り抜ける。
二つの熊座(アルクトス)の周りと間を川の流れのように通りながら。
オケアヌスの水に濡れるのを恐れる熊座の間を。
illic, ut perhibent, aut intempesta silet nox
semper et obtenta densentur nocte tenebrae;
あちら(南極)では、人々の言うように、時のない夜が永遠に沈黙し、
暗黒が横切って伸びる夜によっていっそう暗がりを増しているかもしれない。
aut redit a nobis Aurora diemque reducit,
nosque ubi primus equis Oriens adflauit anhelis 250
illic sera rubens accendit lumina Vesper.
あるいは、暁の女神(アウローラ)が我々の所から戻り、昼を連れ帰るのかもしれない。
昇る太陽(オリエンス)が真っ先に、あえぐ馬によって私たちに息を吹きかけるとき、
あちらでは、赤い宵の明星(ウェスペル)が遅い光を輝かせるかもしれない。
hinc tempestates dubio praediscere caelo
possumus, hinc messisque diem tempusque serendi,
et quando infidum remis impellere marmor
conueniat, quando armatas deducere classis, 255
aut tempestiuam siluis euertere pinum;
このようなことから、空が不確かでも天候について
また、収穫の日と種をまく時について前もって学ぶことが可能である。
信頼できない海を櫂で打つのはいつがよいか、
武装した艦隊を進水させるのはいつがよいか、
また、森の中で松を季節に応じて切り倒すのはいつがよいか、についても。
nec frustra signorum obitus speculamur et ortus
temporibusque parem diuersis quattuor annum.
我々は星座が没したり昇ったりするのを無益に観察するのではない。
四つの異なる季節に等しく分けられた一年についても。