西洋古典– category –
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西洋古典
『イリアス』の冒頭
『イリアス』とは、トロイアの別名「イリオスの物語」という意味です。第一巻冒頭は次のように始まります。 「怒りを歌え、女神よ、(3)ペレウスの子アキレウスの---アカイア勢(ギリシア勢)に数知れぬ苦難をもたらし、あまた勇士らの猛き魂を冥府の王... -
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愛はすべてにうち勝つ
Omnia vincit Amor. 愛はすべてにうち勝つ 出典はウェルギリウスの『牧歌』第10歌です(Verg.Ecl.10,69)。 以下は、愛する女性リュコーリスを失ったガッルスの嘆きの言葉です。 おれは行く、そうして、昔、カルキス風に作った自分の詩に、シキリアの牧... -
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へーローとレアンドロス
セストスへ来たならば、ヘーローが灯りをかかげた塔を探しておくれ 表題は、岩波ジュニア新書『ギリシア人ローマ人のことば―愛・希望・運命』(中務哲郎・大西英文、1986)から採りました。以下はこの言葉に関する解説です。この本は、西洋古典文学の魅力... -
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人間のもつ技術(わざ)はすべてプロメテウスの贈り物
アイスキュロスの『縛られたプロメテウス』の中に出てくる言葉です。プロメテウス(先に知る男)は天上から火を盗み、それを人間に与えたため、ゼウスに罰せられます。劇の中で、プロメテウスは、「人間どものみじめな様子」を哀れに思い、様々な技術を人... -
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直説法・能動態・未来完了の例文
完了幹(amōの場合はamāv-)に-erō, -eris, -erit, -erimus, -eritis, -erintを加えます。 Ubi Romam advenies, epistulam scripsero. 「ウビ・ローマム・アドウェニエース・エピストゥラム・スクリプセロー」と読みます。 ubiは「~する時に」を意味する... -
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ゼウスの時代:ヘーシオドス
ヘシオドスの「神統記」(テオゴニア)によれば、はじめにカオス(混沌)が生まれ、カオスからガイア(大地)、大地の奥底のタルタロス、エロス(愛)が誕生します。ガイアからはウラノス(天)とポントス(大洋)が生まれたとされます。 ガイアは息子ウラ... -
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大地と天の子、そしてアプロディテの誕生:ヘーシオドス
ガイア(大地)は息子のウラノス(天)とまじわって、多くの神々を生みます(大地と天のまじわりのモチーフについては、「ヒエロス・ガモス」参照)。大洋(オケアノス)、コイオス、クレイオス、ヒュペリオン、イアペトス(プロメテウスの父)、テイア、... -
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世界の始まり:ヘーシオドス
世界の始まりはどのようなものであったのでしょうか。古代ギリシアの詩人ヘーシオドスは、『神統記』(116以下)の中で次のように語っています。 まず初めにカオス(混沌)が生まれた。つづいて広大な胸をもつガイア(大地、女神)が、すなわち、雪を戴く... -
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厳格で非情な死の定め:ルクレーティウスとウェルギリウス
optima quaeque dies miseris mortalibus aeui prima fugit; subeunt morbi tristisque senectus et labor, et durae rapit inclementia mortis. 「哀れな死すべき生き物にとって、各々の最良の日々は いち早く逃げ去る。病気と悲しい老年と苦しみが後に続...