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『農耕詩』のスプラギス(4.559-566)
ウェルギリウスの『農耕詩』は次の8行で締めくくられています。一般にスプラギス(印章、自分が作者だと知らせるサインのようなもの)と呼ばれる箇所です。 Haec super arvorum cultu p ...
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Felix qui potuit rerum cognoscere causas.
「フェーリクス・クゥィー・ポトゥイット・レールム・コグノスケレ・カウサース」と読みます。 Fēlixは第3変化形容詞fēlix,-īcis(幸福な)の男性・単数・主格です。文の補語です。動詞est(s ...
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Nec mora, nec requies.
「ネク・モラ・ネク・レクィエース」と読みます。 necは「そして~でない」を意味します。nec A nec B で、A,Bともに否定します。 mora は「遅延、休止」を意味する第1変化名詞mora, ...
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Amor omnibus idem.
「アモル・オムニブス・イーデム」と発音します。 amorは第3変化名詞amor,-ōris m.の単数・主格です。 omnibus は「すべての」を意味する第3変化形容詞omnis,-e の中性・複数 ...
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Rumpe moras.
「ルンペ・モラース」と読みます。 rumpeは「打ち破る」を意味する第3変化動詞 rumpo,-ereの命令法・能動態・現在、2人称単数です。 morāsは「遅れ、遅延」を意味する第1変化名詞 mor ...
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ウェルギリウスの『農耕詩』(まとめ)
※以下、メモ書きです。 時代背景 前70(10月15日)-前19(9月21日)。プーブリウス・ウェルギリウス・マローは、マントウァ(現マントヴァ)近くの村にて生を受ける。(ドナートゥス『伝記』二節、他 ...
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タレントゥムの老人
ウェルギリウスの『農耕詩』第4巻の初めには、自然と共生する老人の姿が描かれています(詩人の思い出という形をとっています)。蜜蜂の生態を語る箇所ですので、文学の技法上「脱線話」(digression)の ...
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愛は遠ざけるべし
ヘーローとレアンドロスの悲劇について、ウェルギリウスは『農耕詩』第3巻258-263で次のように言及しています。 「恐ろしい愛に身を焦がす、かの若者を想え。彼は真暗な夜更けに、嵐が吹き荒れ波立ち騒ぐ海 ...
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『農耕詩』第3巻序歌(訳)
『農耕詩』第3巻序歌の訳を紹介します。 3.1-2 Te quoque, magna Pales, et te memorande canemus pastor ab Amphryso, uos, s ...
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「農耕賛歌」(訳):ウェルギリウスの『農耕詩』第2巻エピローグ
ウェルギリウスの『農耕詩』第2巻エピローグでは、幸福な農夫の生活が描かれる中、 「事物の根元を知り、すべての恐怖と、祈りを拒絶する運命と、アケロン(冥界)の絶えることのない喧噪とを、足下に踏み敷くこと ...