ウェルギリウス– tag –
-
ラテン語格言
Quo fata trahunt, retrahuntque, sequamur.
語彙と文法 「クゥォー・ファータ・トラフント・レトラフントクゥェ・セクゥァームル」と読みます。 quō は関係副詞で「~する方に」と訳せます。 fāta は「運命」を意味する第2変化名詞 fātum,-ī n. の複数・主格です。 trahunt は「運ぶ」を意味する第3... -
訳と解説
「噂」と嫉妬~ウェルギリウス『アエネーイス』より
「噂」と嫉妬 ウェルギリウスの『アエネーイス』第4巻では「噂」(Fama)と呼ばれる女神の正体が次のように生々しく語られています。 4.178-218 illam Terra parens ira inritata deorumextremam, ut perhibent, Coeo Enceladoque sororemprogenuit pedibu... -
西洋古典
トゥルヌスの死
ローマ建国者アエネアスと対立するトゥルヌスの一騎打ちの結果、アエネアスが勝利を収めます。以下はその最後の場面です。 アエネアスは敵(トゥルヌス)に迫ると、大木のような槍を振り回し、たけり狂った心でこう叫ぶ。「これ以上何をぐずぐずするのだ。... -
西洋古典
ニーススとエウリュアルス
『アエネイス』第9巻(訳) 420 残忍なウォルケンスは荒れ狂う。が、槍を投げた男の姿を認めることができず、怒りに燃えながらもどこに突進すべきかがわからなかった。「それでは、おまえ(=エウリュアルス)の熱い血で二人(スルモとタグス)を殺した罪... -
西洋古典
人の世の営みに対する涙
『アエネイス』第6巻の冒頭で,主人公アエネアスはシビュッラ(巫女)の予言を求めてアポロの神殿に赴きます.詩人はここでいったん物語の進行を中断し,この神殿にまつわる縁起物語を紹介していきます.すなわち,噂によるとダエダルスはミノスの王国を... -
西洋古典
戦争と一人の英雄
ローマの詩人ウェルギリウスは、叙事詩『アエネーイス』(アエネーアースの物語)をかきました。アエネーアースはトロイアの王子でしたが、ギリシア軍との戦いに敗れ(これがトロイア戦争で、ホメーロスが『イーリアス』の中で描いています)、祖国を脱出... -
西洋古典
『アエネイス』第1巻から4巻までの流れ
第1巻:カルターゴーに漂着したアエネーアース(トロイアの王子)とその仲間は,ディードー(カルターゴーの女王)に温かく迎えられます.夫シュカエウスを兄に殺され(このエピソードはシェイクスピアの『ハムレット』を連想させます)、兄の手を逃れて... -
ラテン語格言
Rumpe moras.
「ルンペ・モラース」と読みます。 rumpeは「打ち破る」を意味する第3変化動詞 rumpo,-ereの命令法・能動態・現在、2人称単数です。 morāsは「遅れ、遅延」を意味する第1変化名詞 mora,-ae f.の複数・対格です。 「遅延を打ち破れ」と訳せます。 「ぐずぐ... -
西洋古典
ウェルギリウスの『農耕詩』(まとめ)
※以下、メモ書きです。 時代背景 前70(10月15日)-前19(9月21日)。プーブリウス・ウェルギリウス・マローは、マントウァ(現マントヴァ)近くの村にて生を受ける。(ドナートゥス『伝記』二節、他) 内乱と政争に明け暮れる祖国。 カティリーナの反乱...