西洋古典– category –
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西洋古典
『農耕詩』における多様性の問題
『牧歌』第四歌では、大地の自発性が新しいヘシオドス的黄金時代の特徴として示され、「すべての土地はすべてのものを生むだろう」(39 omnis feret omnia tellus)と言われています。他方、『農耕詩』ではこれとは対照的に、 「だが、すべての土地がすべ... -
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黄金時代がやってくる
ウェルギリウスによる黄金時代のテーマの受容 ウェルギリウスの『牧歌』第四歌には、「黄金時代が再来する」という考えが示されます(>>「すべての土地がすべてを生むだろう」)。この黄金時代はサトゥルヌス(ギリシア神話のクロノスに相当します)の時代... -
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アウリスのイピゲネイア
ギリシアの悲劇作家エウリピデスは、『アウリスのイピゲネイア』という作品を残しました。 イピゲネイアは、ギリシア軍を率いるアガメムノンの娘の名です。ギリシア軍はトロイアを攻めるためアウリスに集結しましたが、風が止まり船を出すことができません... -
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オデュッセウスの冥界行
オデュッセウスは、トロイア戦争を終え、故郷に帰る途中、アルキノオスの国に漂着します(アルキノオスの娘がナウシカア)。彼は王に促されるまま、それまでのいきさつを語りますが、そのエピソードの一つに、冥界をおとずれる話があります(第11歌)。 ウ... -
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オデュッセウスとナウシカア
以下は、パイエケス人の国に流れ着いたオデュッセウスと、彼に救いの手を差し出すナウシカア(=ナウシカ。パイエケス人の国の王女)の出会いの場面です。 余談ですが、バーナード・エヴスリンの『ギリシア神話小事典』(小林稔訳、教養文庫)のナウシカの... -
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望郷の思い
ホメロスの作とされる『オデュッセイア』は、トロイア戦争終結後、ギリシアの英雄オデュッセウスが故郷イタケへ帰還するエピソードを軸に展開します。第1巻冒頭は次のように始まります。 ムーサよ、わたくしにかの男の物語をして下され、トロイエ(トロイ... -
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ヘクトルの死
トロイアの英雄ヘクトルは、『イリアス』第22歌で、アキレウスに討たれ命を落とします。父プリアモス、母ヘカベの嘆願を聞かず、門外でアキレウスを迎え討とうとして。その最後の場面はこうです(355-66)。 「彼(アキレウス)に対し、輝く兜(かぶと)のヘ... -
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ヘクトルとアンドロマケ
『イーリアス』第6歌において、トロイア方の戦況は徐々に劣勢に転じます。ヘクトルはヘレノスの提案を 受け入れ、いったん城の中に戻ります。彼はアテネへの祈願を母ヘカベに託し、戦線を離れた弟パリスを叱責した後、妻子に出会います。 ヘレノスはヘクト... -
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アキレウスの怒り
冒頭の表現に続けて、詩人はムーサに次のような問いを出します。 「そもそも二人を争わしめたのは、いかなる神であったのか。これぞレトとゼウスの子(アポロン)、神はアトレウスの子(アガメムノン)が祭司クリュセスを辱めたことを憤り、陣中に悪疫を起...