西洋古典– category –
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『アエネーイス』第三巻訳
新しい祖国を求めて(3.1-30) Postquam res Asiae Priamique euertere gentem 1 immeritam uisum superis, ceciditque superbum Ilium et omnis humo fumat Neptunia Troia, アジアの王権とプリアムスの罪なき民びとを打ち倒すことが、 神々のみ心にかな... -
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『アエネーイス』第二巻訳
アエネーアスの語るトロイア戦争(2.1-20) 1 Conticuere omnes intentique ora tenebant inde toro pater Aeneas sic orsus ab alto: 一同は沈黙しアエネーアスを凝視した。 このとき、高い玉座の上から父アエネーアスは次のように始めた。 3 Infandum, r... -
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『アエネーイス』第一巻訳
『アエネーイス』第一巻訳 第1巻冒頭(1.1-33) 1-7 Arma uirumque cano, Troiae qui primus ab oris Italiam fato profugus Lauiniaque uenit litora, multum ille et terris iactatus et alto ui superum, saeuae memorem Iunonis ob iram, multa quoqu... -
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オウィディウスの『悲しみの歌』
ヘクトルの誉れ Hectora quis nosset, si felix Troja fuisset? publica virtuti per mala facta via est. 誰がヘクトルのことを知っただろう?もしトロイアが幸福であったなら。 公の不幸を通して勇気に道が築かれた。 1行目 「誰が(quis)ヘクトルのこ... -
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「死はなにものでもない」─キケロー『老年について』(66節)
キケロー『老年について』(66節) キケローは『老年について』(De Senectute)の中で大カトー(老人の鑑として登場)に次のように語らせています。(66節) Avaritia vero senilis quid sibi velit, non intellego;老人の貪欲さが何を自らに求めているか... -
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「噂」と嫉妬~ウェルギリウス『アエネーイス』より
「噂」と嫉妬 ウェルギリウスの『アエネーイス』第4巻では「噂」(Fama)と呼ばれる女神の正体が次のように生々しく語られています。 4.178-218 illam Terra parens ira inritata deorumextremam, ut perhibent, Coeo Enceladoque sororemprogenuit pedibu... -
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トゥルヌスの死
ローマ建国者アエネアスと対立するトゥルヌスの一騎打ちの結果、アエネアスが勝利を収めます。以下はその最後の場面です。 アエネアスは敵(トゥルヌス)に迫ると、大木のような槍を振り回し、たけり狂った心でこう叫ぶ。「これ以上何をぐずぐずするのだ。... -
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ニーススとエウリュアルス
『アエネイス』第9巻(訳) 420 残忍なウォルケンスは荒れ狂う。が、槍を投げた男の姿を認めることができず、怒りに燃えながらもどこに突進すべきかがわからなかった。「それでは、おまえ(=エウリュアルス)の熱い血で二人(スルモとタグス)を殺した罪... -
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人の世の営みに対する涙
『アエネイス』第6巻の冒頭で,主人公アエネアスはシビュッラ(巫女)の予言を求めてアポロの神殿に赴きます.詩人はここでいったん物語の進行を中断し,この神殿にまつわる縁起物語を紹介していきます.すなわち,噂によるとダエダルスはミノスの王国を...