授業メモ

2016-11-28 授業メモ

第3変化形容詞

>>omnisの変化

ローマ文学(1) ウェルギリウスの作品に見られる名言名句について紹介する。

ウェルギリウス(BC70-BC19)は、三つの作品を書きました。1)『牧歌』、2)『農耕詩』、3)『アエネーイス』の三つです。

どれも後の時代に大きな影響を与えたと言われます(その検証は専門の研究者にお任せします)。

ウェルギリウス自身、ギリシアに於ける先行作品の影響を強く受けた詩人でした。

1)はテオクリトスの『牧歌』、2)はヘーシオドスの『仕事と日』、3)がホメーロスの『イーリアス』と『オデュッセイア』です(もちろん今あげた以外の作品からも様々な面で影響を受けていることは言うまでもありませんが)。

たとえば、『農耕詩』の第二巻では、「私はアスクラの歌(ヘーシオドス風の歌)をローマの町々を通じて歌う。」と述べています。

『農耕詩』はヘーシオドスの作品から、「五時代の説話」、「人間と労働の関係」といったテーマを継承しています。

『アエネーイス』第1巻の序歌は、「私は戦いと英雄を歌う。」という表現で始まっています。「戦い」はホメーロスの『イーリアス』(トロイア戦争をテーマとする)、「英雄」は同じ詩人の『オデュッセイア』(オデュッセウスという英雄の帰国物語)を暗示すると従来解釈されます。このとき、ウェルギリウスはホメーロスの作品に並ぶ作品を今から歌うと宣言していることになります。

関連資料

『牧歌』
『農耕詩』
『アエネーイス』

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『ギリシア・ローマ名言集』(柳沼重剛、岩波書店 2003)より(p.108)。

なお、柳沼先生も指摘されているとおり、「友よ、・・・」の句(Aen.1.198-199)は次のホメーロスの表現をふまえている。

「堪え忍べ、わが心よ、おまえは以前これに勝る無残な仕打ちにも辛抱したではないか。」(『オデュッセイア』20,18、松平千秋訳)

また、「友よ、・・・」に続く「きっといつの日か、今の苦しみを思い出して喜べる日も訪れるだろう」(Aen.1.203)も
「現在の難儀もいつの日かよい思い出になるであろう」(『オデュッセイア』12,212、松平千秋訳)をふまえている。

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