授業メモ

2015-11-30 授業メモ

ギリシャ‥ローマにおける「労働」の意味
ギリシャ語のポノス(労働)は苦悩を意味する。ラテン語のラボル(labor)もしかり。
人間にとって労働は罰であるか。ヘーシオドス以来の伝統では労働を最高神ゼウスの与えた罰ととらえる。パンドラのエピソード、プロメテウスの火盗みのエピソード、5時代説話、参照。資料として『仕事と日』。ヘーシオドスはその中で「神は幸福の前に汗を置いた」と述べた。現代風に言えば、No pain no gain.ということ。額に汗して働けば収穫が得られる。働かざるもの食うべからず。
>>「人はなぜ働くのか」

ウェルギリウスによる新たな労働観
ウェルギリウスの『農耕詩』(Georgica)はヘーシオドスの『仕事と日』をモデルとした作品。>>「ウェルギリウスの『農耕詩』(まとめ)」。第一巻に見られる次の表現に注目。Labor Omnia vicit improbus.(Geo.1.145)の二義性。1)「不屈の(improbus)労働は(labor)すべてを(omnia)克服した(vicit)」。2)「邪悪な(improbus)労苦(苦悩)は(labor)(世界の)すべて(の場所)を(omnia)征服した(vicit)(=世界の津々浦々に広まった)」。ウェルギリウスはlaborをローマ神話の最高神ジュピター(ユピテル)の人間に与えた試練ととらえる。>>「人間にとって技術とは何か
文明国家(ローマ)はその試練を克服して開かれる世界。この詩において詩人は文明の肯定的側面も否定的側面も描き出す。前者の例:「農耕讃歌」(第2巻エピローグ)など、後者の例:「内乱」(第1巻エピローグ)など。技術を用いる人間の心の問題(モラル)に光を当てている。
発展問題)「農耕讃歌」における2つの「知」の対比をめぐって。
参考資料1)>>「知識と科学」
参考資料2)>>「聖なる好奇心」

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