Flos unus non facit hortum.

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語彙と文法

「フロース・ウーヌス・ノーン・ファキト・ホルトゥム」と読みます。
flōs は「花」を意味する第3変化名詞flōs,-ōris m.の単数・主格です。文の主語です。
ūnus は「一つの」を意味する代名詞的形容詞ūnus,-a,-umの男性・単数・主格で flōs にかかります。
facit は「つくる」を意味する第3B変化動詞 faciō,-cere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
hortum は「庭」を意味する第2変化名詞hortus,-ī m.の単数・対格です。
「一輪の花は庭を作らない」という意味になります。

第3変化名詞flōs,-ōris m.花

単数複数
主格(呼格)flōsflōrēs
属格flōrisflōrum
与格flōrīflōribus
対格flōremflōrēs
奪格flōreflōribus
flōsの変化表

flōsを用いた例文

Dum aurōra fulget, adulescentēs, flōrēs colligite.
若者たちよ、曙の光りがさしているうちに、花をつみとりなさい。

この文の解釈

「一つの部分が全体を構成する一部としてどれも大切だ」とよく言われます。上の格言は同じ趣旨のことを別の観点から述べたもので、全体を構成する一部分がそのまま全体を代表するのではない、ということを示しています。

「人間は一人では何もできない」ということを伝える格言です(出典不明)。チームワークの大事さを伝える言葉として受け取ることができます。

これと似た表現として、「一輪の花が春(の全体)を作るのではない」(Ūnus flōs nōn facit vēr.)や、「一羽のツバメが春(の全体)を作るのではない」(Hirundō ūna vēr nōn facit.)などがあります。

vērは「春」を意味します。facitの目的語です。中性名だとわかります(中性名詞は主格と対格が同じです)。

その他の解釈

このフレーズを引用したSonoko Takagi氏のエッセイをご紹介します。

山笑う:Yama (mountain) warau (smiles/ laughs)

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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